Dynamixelシリーズ 構成例

   Dynamixelインターフェースに対応した製品の構成例を紹介します。

    ホストコントローラ

Dynamixel I/Fを装備したサーボモータやセンサ・マイコンボードなどの装置と通信を行い、全てを管理統括するのがホストコントローラの役目です。ホストコントローラを称する専用の装置をはじめ、PCそのものもその1つになりますです。

・DXSHIELD
DXSHIELDはArduinoに装着するシールドです。ArduinoにはないDynamixelのI/Fを増設し、それを制御する専用のプログラムを自ら作成して使用します。
・DXMIO
DXMIOはホストとしてもスレーブとしても使用できるマイコンボードで、こちらも搭載されるマイコン用のプログラムを作成する必要があります。
 
・PC
大きさをいとわなければホストとして最も自由度が高いのがPCになります。専用コントローラには装備されているDynamixelとのI/FがPCには標準装備されていないため、後述の専用の増設I/Fを別途用意する必要があります。
・FDIII-HC
FDIII-HCは内蔵されるマイコン用のプログラムを自ら作成し、書き込んだ上で使用するスタンドアロンアプリケーション向けの装置です。


    増設I/F

PCをホストとした場合は、以下のいずれかをPCのUSBポートに増設して使用する事になります。もちろん電気的に知見がある場合はその限りではありません。

・DXHUB
DXHUBはPCのUSBポートに接続する事でDynamixelとの通信を行う装置です。
全てのDynamixelシリーズに対応するため4ピン(RS-485)とTTL(3ピン)のコネクタを複数装備し、電源の分配を行うハブとしての役割を持っています。
USBと各I/F間が電気的に絶縁されています。

・USB dongle
DXHUBの通信機能だけを切り出したUSB直結の装置で、PCなどにDynamixelのI/Fを増設するだけの最小限の構成が求められる場合に使用します。
こちらもUSBと各I/F間が電気的に絶縁されています。
   
・DXSHIELD
DXSHIELDはホストコントローラの他、PCのUSBポートにDynamixelのI/Fを増設する目的でも使用できます。その場合の接続構成はDXHUBとほぼ同じです。
・FDIII-HC
FDIII-HCはホストコントローラの他、PCのUSBポートにDynamixelのI/Fを増設する目的でも使用できます。その場合の接続構成はDXHUBとほぼ同じです。
またBluetoothによるワイヤレス化も可能です。

    モータ(Dynamixel)

ホーン(円盤部)を回転させることでロボットの関節などの役割を果たします。
Model Control Algorithm Dimension
[mm]
Weight
[g]
Operating Voltage
[V]
Stall Torque
[N•m]/[V]
Stall Current
[A]/[V]
No Load Speed
[rpm]/[V]
Position Sensor Motor Operating Angle
[deg]
Resolution I/F Material Max Baudrate
[Mbps]
Protocol
Case Gear
AX-12W   32x50x40 52.9 9~12 - 1.4/12 470/12 POT Cored 300 1024 TTL Enpla Enpla 1 V1
AX-12A   32x50x40 54.6 9~12 1.5/12 1.5/12 59/12 POT Cored 300 1024 TTL Enpla Enpla 1 V1
AX-18A   32x50x40 55.9 9~12 1.8/12 2.2/12 97/12 POT Coreless 300 1024 TTL Enpla Enpla+Metal 1 V1
RX-24F   35.6x50.6x35.5 67.0 9~12 2.6/12 2.4/12 126/12 POT Coreless 300 1024 RS-485 Enpla Metal 1 V1
RX-28   35.6x50.6x35.5 72.0 12~18.5 3.7/18.5 1.9/18.5 85/18.5 POT maxon 300 1024 RS-485 Enpla Metal 1 V1
RX-64   40.2x61.1x41 125.0 12~18.5 5.3/18.5 2.6/18.5 64/18.5 POT maxon 300 1024 RS-485 Enpla Metal 1 V1
EX-106   40.2x65.1x46 154.0 12~18.5 10.9/18.5 7/18.5 91/18.5 POT maxon 251 4096 RS-485 Enpla+AL Metal 1 V1
MX-12W PID Control 32x50x40 54.6 10~14.8 - 0.6/12 470/12 GMR Cored 360 4096 TTL Enpla Enpla 4.5 V1
MX-28T PID Control 35.6x50.6x35.5 72.0 10~14.8 2.5/12 1.4/12 55/12 GMR maxon 360 4096 TTL Enpla Metal 4.5 V1 or V1/V2
MX-28R PID Control 35.6x50.6x35.5 72.0 10~14.8 2.5/12 1.4/12 55/12 GMR maxon 360 4096 RS-485 Enpla Metal 4.5 V1 or V1/V2
MX-28AT PID Control 35.6x50.6x35.5 77.0 10~14.8 2.5/12 1.4/12 55/12 GMR maxon 360 4096 TTL Enpla+AL Metal 4.5 V1 or V1/V2
MX-28AR PID Control 35.6x50.6x35.5 77.0 10~14.8 2.5/12 1.4/12 55/12 GMR maxon 360 4096 RS-485 Enpla+AL Metal 4.5 V1 or V1/V2
MX-64T PID Control 40.2x61.1x41 126.0 10~14.8 6.0/12 4.1/12 63/12 GMR maxon 360 4096 TTL Enpla Metal 4.5 V1 or V1/V2
MX-64R PID Control 40.2x61.1x41 126.0 10~14.8 6.0/12 4.1/12 63/12 GMR maxon 360 4096 RS-485 Enpla Metal 4.5 V1 or V1/V2
MX-64AT PID Control 40.2x61.1x41 135.0 10~14.8 6.0/12 4.1/12 63/12 GMR maxon 360 4096 TTL Enpla+AL Metal 4.5 V1 or V1/V2
MX-64AR PID Control 40.2x61.1x41 135.0 10~14.8 6.0/12 4.1/12 63/12 GMR maxon 360 4096 RS-485 Enpla+AL Metal 4.5 V1 or V1/V2
MX-106T PID Control 40.2x65.1x46 153.0 10~14.8 8.4/12 5.2/12 45/12 GMR maxon 360 4096 TTL Enpla+AL Metal 4.5 V1 or V1/V2
MX-106R PID Control 40.2x65.1x46 153.0 10~14.8 8.4/12 5.2/12 45/12 GMR maxon 360 4096 RS-485 Enpla+AL Metal 4.5 V1 or V1/V2
XL430-W250-T PID Control 28.5x46.5x34 57.2 10~12.0 1.4/11.1 1.3/11.1 57/11.1 GMR Cored 360 4096 TTL Enpla Enpla 4.5 V1/V2
XM430-W210-T PID Control 28.5x46.5x34 82.0 10~14.8 3.0/12 2.3/12 77/12 GMR Coreless 360 4096 TTL Enpla+AL Metal 4.5 V1/V2
XM430-W210-R PID Control 28.5x46.5x34 82.0 10~14.8 3.0/12 2.3/12 77/12 GMR Coreless 360 4096 RS-485 Enpla+AL Metal 4.5 V1/V2
XH430-W210-T PID Control 28.5x46.5x34 82.0 10~14.8 2.5/12 1.3/12 50/12 GMR maxon 360 4096 TTL Enpla+AL Metal 4.5 V1/V2
XH430-W210-R PID Control 28.5x46.5x34 82.0 10~14.8 2.5/12 1.3/12 50/12 GMR maxon 360 4096 RS-485 Enpla+AL Metal 4.5 V1/V2
XH430-V210-R PID Control 28.5x46.5x34 82.0 24 2.6/24 0.7/24 52/24 GMR maxon 360 4096 RS-485 Enpla+AL Metal 4.5 V1/V2
XM430-W350-T PID Control 28.5x46.5x34 82.0 10~14.8 4.1/12 2.3/12 46/12 GMR Coreless 360 4096 TTL Enpla+AL Metal 4.5 V1/V2
XM430-W350-R PID Control 28.5x46.5x34 82.0 10~14.8 4.1/12 2.3/12 46/12 GMR Coreless 360 4096 RS-485 Enpla+AL Metal 4.5 V1/V2
XH430-W350-T PID Control 28.5x46.5x34 82.0 10~14.8 3.4/12 1.3/12 30/12 GMR maxon 360 4096 TTL Enpla+AL Metal 4.5 V1/V2
XH430-W350-R PID Control 28.5x46.5x34 82.0 10~14.8 3.4/12 1.3/12 30/12 GMR maxon 360 4096 RS-485 Enpla+AL Metal 4.5 V1/V2
XH430-V350-R PID Control 28.5x46.5x34 82.0 24 3.3/24 0.7/24 31/24 GMR maxon 360 4096 RS-485 Enpla+AL Metal 4.5 V1/V2
XM540-W150-T PID Control 33.5x58.5x44 165.0 10~14.8 7.3/12 4.4/12 53/12 GMR Coreless 360 4096 TTL Enpla+AL Metal 4.5 V1/V2
XM540-W150-R PID Control 33.5x58.5x44 165.0 10~14.8 7.3/12 4.4/12 53/12 GMR Coreless 360 4096 RS-485 Enpla+AL Metal 4.5 V1/V2
XM540-W270-T PID Control 33.5x58.5x44 165.0 10~14.8 10.6/12 4.4/12 30/12 GMR Coreless 360 4096 TTL Enpla+AL Metal 4.5 V1/V2
XM540-W270-R PID Control 33.5x58.5x44 165.0 10~14.8 10.6/12 4.4/12 30/12 GMR Coreless 360 4096 RS-485 Enpla+AL Metal 4.5 V1/V2

    センサ

赤外線や音を使用して、周囲の状況を把握・判断するための装置です。
次項のI/Oモジュールを使用すれば、様々なセンサの値を取り込めます。

 
Dynamixel AX-S1
USS3
ToFセンサ
センサユニット 超音波センサ レーザ測距センサ


    I/Oモジュール

Dynamixel I/Fに対応したホストコントローラとDynamixel I/Fに対応していない機器を接続して運用する際の仲介役です。主にセンサの値を取り込んだり、LEDを駆動したりします。DXMIOを利用すれば、Dynamixel I/Fに対応していないPSD距離センサ反射型フォトインタラプタの値を取り込めます。また高精度な9軸IMUを装備していますので、ロボットの姿勢制御にも用いる事ができます。
 

    その他スレーブ装置

Dynamixel I/Fに接続して使用する汎用のマイコンボードです。Dynamixelプロトコルに準拠した、インストラクションパケットを受信しステータスパケットを返す処理を行う機能を持たせておく必要があります。
先のモータやセンサといった機能を限定した装置とは異なり、もっと自由な外部回路や駆動系を実現させたいといった場合に使用します。

FDIII-HC DXMIO
Dynamixelシリーズはデバイス間でケーブルをディジーチェーン接続(数珠つなぎ)に対応するデバイスがあります。
アクチュエータにて関節機構を構成した際の配線の取り回しがしやすくなっています。
※接続できる最大数には制限があります



Dynamixel I/Fに接続された各デバイスに異なるID番号を割り付けることで、ホストコントローラから特定のID番号のみへ指令を出すことができます。


Dynamixelシリーズには3ピン(TTLレベル)ないし4ピン(RS485レベル)コネクタの製品があります。3ピンは3ピン同士、4ピンは4ピン同士でのみディジーチェーン接続が可能です。


なお、ホストコントローラには両方のコネクタが装備されますので、1つのホストコントローラに両者の装置を接続し、同時に運用することは可能です。ただしコネクタに限らず異なる仕様の製品を1つのホストコントローラで運用する場合は、供給する電源電圧が接続している全ての製品の動作電圧範囲内でなければなりません。
    Dynamixelのパラメータを調節したい


各デバイスのパラメータを変更する際の構成です。
パソコンにハブとなるFDIII-HC又はDXHUBをUSBケーブルで接続し、ハブに電源と各デバイスを接続します。
パソコン上で動作する専用の調整ツールであるDynamixel Wizardをインストールすれば、ハブに接続されたすべてのデバイスの調整が行えます。
なお、FDIII-HCではBluetoothを使用してワイヤレスでデバイスと通信を行うことも可能です。

    ロボットを製作したい①(ロボット自身にホストコントローラを搭載)


スタンドアロンで動作するロボットを想定する場合はこの構成となります。
GCC Developper LiteにてC言語によるプログラムを作成し、FDIII-HCへダウンロードして動作させます。

    ロボットを製作したい②(パソコンから直接Dynamixelを動かす)


パソコンから直接各デバイスとの通信を行って動作させる場合の構成です。
Dynamixelの通信プロトコルに従ったプログラムをパソコン上で動作させる必要がありますが、WindowsやLinuxに対応した2種類のライブラリとサンプルプログラムが用意されています。

DynamixelプロトコルV1対応ライブラリ
DynamixelプロトコルV2対応ライブラリ