2: 2011-07-14 (木) 15:57:58 yoshida | 現: 2013-04-09 (火) 23:54:58 takaboo | ||
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Line 1: | Line 1: | ||
- | *プログラムの再修正 [#k7f8e282] | + | *プログラムの修正 [#k7f8e282] |
もっと効率よく進むことができるようプログラムを修正します。 | もっと効率よく進むことができるようプログラムを修正します。 | ||
Line 10: | Line 10: | ||
**グラフを作る [#g558d264] | **グラフを作る [#g558d264] | ||
赤外線反射センサの値と左右の車輪の動きをグラフにしてみます。 | 赤外線反射センサの値と左右の車輪の動きをグラフにしてみます。 | ||
- | 白と黒の地面の中心を70としていますので、ここを中心に左右が最大出力になるようにします。 | + | 白と黒の地面の閾値を70としていますので、ここを中心に左右が最大出力になるようにします。 |
- | #ref(line8.png) | + | #ref(graph.png) |
グラフの横軸は赤外線反射センサの値、縦軸は車輪のスピードです。 | グラフの横軸は赤外線反射センサの値、縦軸は車輪のスピードです。 | ||
赤いラインが右車輪、青いラインが左車輪です。 | 赤いラインが右車輪、青いラインが左車輪です。 | ||
- | 黒と白の真ん中(センサ値70)の時、両車輪とも最大速度1000となります(最大値は1023ですが簡略化のため1000としました)。 | + | センサの値が70の時、両車輪とも最大速度1023となります。 |
+ | センサ値が20で黒い地面となりますので、右へ曲がるため右車輪の速度は0になります。反対にセンサ値が120で白い地面となりますので、左へ曲がるため左車輪の速度は0になります。 | ||
- | センサ値が70より小さい時は黒い方へずれているということなので、右車輪のスピードを下げて右へ曲がります。センサ値が小さくなるに従ってスピードを下げ右に曲がる量を増やします。 | + | つまり、右車輪は(20,0)と(70,1023)の2点を通る直線で表すことができます。左車輪は(120,0)と(70,1023)の2点を通る直線で表すことができます。 |
- | 同様にセンサ値が70より大きい時は白い方へずれているということなので、左車輪のスピードを下げて左へ曲がります。センサ値が大きくなるに従ってスピードを下げ、左に曲がる量を増やします。 | ||
**計算します [#wd05ab8a] | **計算します [#wd05ab8a] | ||
- | グラフを式にしてみます。~ | + | 2点を通る直線は1次関数ですので、グラフを式にすると以下のようになります。 |
- | 右車輪のスピードが最小値(0)から最大値(1000)へ変化する部分を考えます。~ | + | |
- | スピードをY、センサ値をXとした場合、 | + | ***右車輪 [#m1d1d081] |
- | Y = aX + b | + | y = (1023 / 50) * x - (2046 / 5) |
- | となります。これはXが70であればYは1000となるので、 | + | 小数点数は扱いませんので、整数化します。 |
- | 1000 = 70a + b | + | y = 20 * x - 409 |
- | と置き換えます。これを最初の式に当てはめると | + | |
- | Y = aX + 1000 - 70a | + | ***左車輪 [#s2cab8e6] |
- | となります。 | + | y = -(1023 / 50) * x + (12276 / 5) |
- | ここでのaはグラフの傾きです。 | + | 左車輪も同様に整数化します。 |
+ | y = -20 * x + 2455 | ||
+ | |||
+ | **スピードの補正 [#v3af612b] | ||
+ | 右車輪と左車輪の動きは数式で求められましたが、実際にはアクチュエータ側の制限がありますので、速度設定時に範囲外の値を補正します。 | ||
+ | #html{{ | ||
+ | <pre class="brush:c"> | ||
+ | // アクチュエータ操作 | ||
+ | void Direction (short left, short right) { | ||
+ | if (left < 0) left = 0; | ||
+ | else if (left > 1023) left = 1023; | ||
+ | if (right < 0) right = 0; | ||
+ | else if (right > 1023) right = 1023; | ||
+ | fd_DXSetSpeed (1, -right); | ||
+ | fd_DXSetSpeed (2, left); | ||
+ | } | ||
+ | </pre> | ||
+ | }} | ||
+ | AX-12Aを逆転させるには-(マイナス)値を指定すれば問題ありませんが、後退もその場での旋回も行いませんので、有効範囲を0~1023とします。 | ||
+ | 範囲外の値については、0以下の場合は0、1023以上は1023に補正します。 | ||
+ | |||
+ | **プログラム完成 [#y8b96e69] | ||
+ | #html{{ | ||
+ | <pre class="brush:c"> | ||
+ | #include <fd.h> | ||
+ | // アクチュエータ操作 | ||
+ | void Direction (short left, short right) { | ||
+ | if (left < 0) left = 0; | ||
+ | else if (left > 1023) left = 1023; | ||
+ | if (right < 0) right = 0; | ||
+ | else if (right > 1023) right = 1023; | ||
+ | fd_DXSetSpeed (1, -right); | ||
+ | fd_DXSetSpeed (2, left); | ||
+ | } | ||
+ | // メイン関数 | ||
+ | void main (void) { | ||
+ | uint8_t GroundData; | ||
+ | |||
+ | fd_SetBeepCondition (FD_BEEP_MMI | FD_BEEP_PACKETERR | FD_BEEP_LOWVOLTAGE | FD_BEEP_BOOTUP); | ||
+ | fd_SetUVThreshold (7.4); | ||
+ | DX_ChangeBaudrate (1000000); | ||
+ | |||
+ | fd_DXSetEndlessTurn (1, true); | ||
+ | fd_DXSetEndlessTurn (2, true); | ||
+ | |||
+ | while (!fd_GetPB () && !fd_rx_buff ()) { | ||
+ | DX_ReadByteData (100, 28, &GroundData, 10, NULL); | ||
+ | fd_printf ("ground: %3d\r", GroundData); | ||
+ | Direction (-20 * GroundData + 2455, 20 * GroundData - 409); | ||
+ | fd_Wait (10); | ||
+ | } | ||
+ | Direction (0, 0); // 停止 | ||
+ | } | ||
+ | </pre> | ||
+ | }} | ||
+ | 完成したプログラムを実行してみましょう。 | ||
+ | 前章のプログラムと比べ、上手にライントレースができているでしょうか。 | ||
+ | |||
+ | 中心となるセンサ値やグラフの傾きを変えながら、適合する値を調整してみましょう。 | ||
+ | |||
+ | [[次のチャプターへ>FDIIICHAPTER9.4]] | ||
+ | |||
+ | [[FDIII-HC Starter Kit Guide>LEARNINGGUIDE]]に戻る |