H8/3694Fマイコンボードは、ルネサスエレクトロニクス製16bit RISC CPU H8/3694Fを搭載した小型マイコンボードです。小さいながらタイマやA/Dコンバータを内蔵しており、プログラム開発言語にC言語を使用できるマイコンです。
商品番号 | BTC064B |
PCBリビジョン | E002B (2層) |
CPU | Renesas HD64F3694FPV |
クロック | システムクロック 20MHz サブクロック 32.768kHz |
動作温度 | 0~+40℃ |
動作電圧 | DC4.5~5.5V (絶対最大定格 DC6V) 最低動作電圧 DC3.0V (動作を保証するものではない) |
消費電流 | 30mA (MAX) |
寸法 | W32×D27mm (参考) |
コネクタ等 | モード切替スイッチ×1、20ピン端子×2、RS232C通信用ピンヘッダ×1、基板裏面にSOICタイプのシリアルEEPROM(X24C256相当)装備(ジャンパにてIICバス切り離し可)、リセットIC装備、リセットボタン×1 |
環境配慮 | RoHS準拠, 鉛フリー半田 |
No. | 端子名 | No. | 端子名 |
1 | GND | 2 | VCC |
3 | P85 | 4 | P86 |
5 | P87 | 6 | P20/SCK3 |
7 | P21/RXD | 8 | P22/TXD |
9 | P14/IRQ0 | 10 | P15/IRQ1 |
11 | P16/IRQ2 | 12 | P17/IRQ3/TRGV |
13 | PB4/AN4 | 14 | PB5/AN5 |
15 | PB6/AN6 | 16 | PB7/AN7 |
17 | PB3/AN3 | 18 | PB2/AN2 |
19 | PB1/AN1 | 20 | PB0/AN0 |
No. | 端子名 | No. | 端子名 |
1 | P84/FTIOD | 2 | P83/FTIOC |
3 | P82/FTIOB | 4 | P81/FTIOA |
5 | P80/FTCI | 6 | NMI |
7 | P76/TMOV | 8 | P75/TMCIV |
9 | P74/TMRIV | 10 | P57/SCL |
11 | P56/SDA | 12 | P12 |
13 | P11 | 14 | P10/TMOW |
15 | P55/WKP5/ADTRG | 16 | P54/WKP4 |
17 | P53/WKP3 | 18 | P52/WKP2 |
19 | P51/WKP1 | 20 | P50/WKP0 |
No. | 端子名 | I/O |
1 | TX (RS232C←P22) | O |
2 | GND | - |
3 | RX (RS232C→P21) | I |
CN3にはマイコンのSCIのTXD,RXD端子をRS232Cレベルに変換した信号が接続されます。主にPCのCOMポートと接続し、プログラムの転送やデバッグに使用します。
接続するホストに応じて以下の通信ケーブルないしI/Fがオプションで使用できます。
BTE075 USB-RS232Cケーブル
BTE060 RS232C通信ケーブル + BTE061D USBシリアル変換ケーブル
電源供給前もしくはリセット中にSW1がWRITE側(マイコンのNMI端子がLOW)かつマイコンのP85端子がHIGHの状態で、電源供給もしくはリセット解除されると、マイコンはブートモードになります。このモードはマイコンの内蔵フラッシュROMへプログラムを書き込む際に選択します。書込みにはFLASH WRITERを使用します。
電源供給前もしくはリセット中にSW1がRUN側(マイコンのNMI端子がHIGH)で、電源供給もしくはリセット解除されるとマイコンはユーザモードになります。このモードはマイコンの内蔵フラッシュROMへ書き込まれたプログラムを実行する際に選択します。
なお、プログラムが実行されている際にSW1をWRITE側にすると、マイコンにNMIが発行されます。
マイコンのP85端子及びNMI端子がマイコンボードの外部に設けられた回路によって端子の信号レベルが想定した論理以外に設定されていると、マイコンは意図したモードに遷移しません。 |
PB1はリセットIC(U2)のマニュアルリセット端子に接続されています。押下されるとリセットICはマイコンのRES端子をLOWにし、放すと規定時間経過後HIGH-Z状態になり装備されたプルアップ抵抗でマイコンのRES端子はHIGHになります。
GCC Developer Liteの詳細についてはこちら。
「基本パック」と「H8パック」をダウンロードしてインストールしてください。なおH8パックインストールの際に表示されるコンポーネントの選択画面では「H8/3694Fでのみ使用」を選択してください。
H8/3694Fで使用される主要なコンポーネントを簡単に示します。
ソースプログラムを編集するためのテキストエディタとその他のツールを起動するためのランチャ機能を有する。
ターゲットのフラッシュROM等へコンパイルされたプログラムをCOMポート経由で書き込む。
USB等で提供されるCOMポートの動的な検出と、COMポートを使用する弊社ツールとの排他制御機能を持つ。
ターゲットのフラッシュROM等へコンパイルされたプログラムをCOMポート経由で書き込む。
ここでは詳説しない。
汎用シリアルターミナル。簡易的なTELNETクライアントとしても機能する。
USB等で提供されるCOMポートの動的な検出と、COMポートを使用する弊社ツールとの排他制御機能を持つ。
マイコンの内蔵ペリフェラルを定義したヘッダファイルやSCIを簡便に使うためのAPI、シリーズ毎に異なるメモリマップを定義したリンカスクリプトファイル、スタートアップルーチンを含む。基本的にコンパイル済みライブラリとしてソースとリンクして使用する。
GCC Developer Liteでは複数のターゲット向けの設定を備えています。
以下は本マイコンボードに対応した設定リストです。
ビルドするとマイコンのフラッシュROMで動作させるための.motファイルが作られる。
ビルドが成功すると、ブートモードでフラッシュROMに書き込むためにFW.exe(FLASH WRITER)の起動を促される。
様々なマイコンに対応した転送ツールです。
以下の設定を行い、ブートモードのマイコンボードとPCをRS232Cケーブルで接続してExecuteボタンを押すと書き込み処理を開始します。
書き込みを開始すると、自動的に以下の順に処理が行われます。いずれのタイミングにおいてもプログレスバーによる進捗状況が表示されます。
GCC Developer Liteでは1つのソースプログラムのみを対象とするため、機能別にソースを分割して編集やコンパイルするといった使い方は出来ません(完全にできないという訳でもありません)。だからと言って全ての機能を一つのソースに記述する事は、プログラムの見通しが悪くなりバグの温床になりかねません。
そこで、複数のソースに分割する事無くある程度のソースプログラムサイズでコーディングするために、頻繁に使用されるであろう一部の機能が専用のライブラリとして提供されます。
GCC Developer Liteを標準的な環境のPCへインストールすると、「C:\Program Files\BestTech\GCC Developer Lite\TARGET\3694F」フォルダに必要なファイルがコピーされます。必要に応じて本フォルダを参照できますし、ユーザがソースを修正しライブラリを再構築する事も可能です。
C言語で作成したプログラムを実行させるために、アセンブラないしC言語で記述された必要最低限の初期化処理プログラムです。
h8crt0.s (スタートアップルーチン本体のソースファイル)
実行条件に応じたメモリの割り当てを記述したファイルです。コンパイル時にリンカが参照し、コードの最終的な配置が決定されます。
h8rom.x
マイコンに内蔵された各種ペリフェラルが持つレジスタは、決められたメモリ上のアドレスに配置されています。それらレジスタをアドレスではなくレジスタ毎に決められた名称を使い、変数のようにアクセスするためのマクロ定義が記述されています。
3694.h (レジスタのマクロ定義)
作成したプログラムの動作を確認を行う際に、マイコンのシリアルポートを使用する事を推奨しています。マイコンと文字によるコミュニケーション機能を用意する事で、レジスタの値やプログラムの進捗の把握、さらにはマイコンに対してPCから指令を与えるといった使い方が出来ます。
本マイコンには複数のシリアルポートが備わっており、制御方法も多種多様なため、それに応じてライブラリとして提供する通信用APIも多くなっています。
sci~.c (SCIを割り込みで使用するAPIのソース群)
IICバスに接続されたEEPROMへアクセスするAPIです。
eeprom.c (APIのソースファイル)
各APIをコンパイルし、一つのライブラリファイルにアーカイブして提供します。
makelib.bat (APIをコンパイルし、アーカイブするバッチ)
libadd3694.a (makelib.batで作成されるライブラリファイル)
こちらからダウンロード出来ます。