1: 2011-08-08 (月) 16:46:36 yoshida ソース 現: 2017-08-20 (日) 01:53:14 takaboo ソース
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-TITLE:BTX030B Dynamixel AX-12Aマニュアル+TITLE:Dynamixel AX-12Aマニュアル
#norelated #norelated
#contents #contents
-[[ショップページへ>http://www.besttechnology.co.jp/modules/onli​neshop/index.php?fct=photo&p=129]] +[[ショップページへ>https://www.besttechnology.co.jp/modules/onli​neshop/index.php?fct=photo&p=129]]
-**概要 [#w3a32d1d] +
-#ref(http://www.besttechnology.co.jp/upl​oads/onlineshop/photos/q00129q4e3f7216c2​42f.png,100%,center,nolink);+
-|Close Control |1024段階の解像度で位置・速度・電流制御 | +[[Dynamixelシリーズ一覧>DXLSeries]]
-|Compliance Driving |位置制御においてコンプライアンス制御 | +
-|Feedback |角度・速度・内部温度・負荷をフィードバック | +
-|Alarm System |内部温度・トルク・印加電圧等が指定範囲から外れた場合、この状況を知らせると共に自ら適切な処理を行う機能を装備 | +
-|Communication |アクチュエータ間をデイジーチェーン接続でき、最大1Mbpsの通信速度をサポート。また、1つの通信経路のみで指令可能であるため、ホストは少ないリソースで複数台のDynamixelを制御 | +
-|Memory Mapped Parameter |全てのパラメータは内部のメモリマップとして提供され、アドレスとデータを使用したプロトコルにてRead/Write | +
-|Engineering Plastic |大きなトルクに対して十分な剛性を発揮するエンジニアリングプラスチックボディ | +
-|Connector |2本のコネクタを装備、ディジーチェーン形態のマルチドロップリンク | +
-|Mounting Adaptor |アプリケーションにおいて、アセンブリの自由度をUPするマウントアダプタを標準装備 | +
-|Status LED |内部のエラー状況をLEDにて通知 |+
-**主な仕様 [#e0482654+**特徴 [#w3a32d1d
-|商品番号 |BTX030B | +#ref(https://www.besttechnology.co.jp/uploads/onlineshop/photos/q00129q4e3f7216c242f.png,100%,center,nolink);
-|保持トルク |15kgf•cm (at 12V 1.5A) | +
-|減速比 |1/254 | +
-|無負荷回転数 |59rpm (at 12V) | +
-|動作モード |位置決めモード(0~300°) | +
-|^ |無限回転モード(Endless Turn) | +
-|電源電圧範囲 |9~12V (Recommended 11.1V) +
-|動作温度範囲 |-5~+85℃ | +
-|重量 |54.6g | +
-|コマンドシグナル |デジタルパケット | +
-|プロトコル |半二重非同期通信 8-1-N | +
-|リンク方式 |1ワイヤ双方向(5V TTLレベル) | +
-|ID数 |254 (0~253) | +
-|通信速度 |7843~1M bps | +
-|フィードバック |位置・速度・温度・負荷・電源電圧 | +
-|材質 |エンジニアリングプラスチック | +
-|モータ |Cored Motor | +
-|付属品 |ホーン×1(出荷時に本体装着済み)&br;フレームOF-12SH×1, OF-12S×1&br;ネジキット×1式&br;フレキシブルワイヤ(200mm)×1 |+
-**寸法 [#lfe6430a]+-ストールトルク 1.5N•m(at 12V 1.5A) 
 +-動作範囲300°、10ビット分解能の位置フィードバック 
 +-TTL I/F対応 
 +-コンプライアンス付き位置決め制御
-#ref(BTX030-dim.png,45%)+**仕様 [#ha6644f8] 
 +***同梱内容 [#if32444c] 
 +| 名称 | 数量 | 備考 |h 
 +|本体 | 1| | 
 +|ネジ・ナットキット| 1| | 
 +|Robot Cable-3P 180mm| 1| | 
 +|フレーム| 1|F2 | 
 +|フレーム| 1|F3 | 
 +|ワッシャ| 1| | 
 +|ブッシュ| 1| |
-***フレーム [#x0f7b8c5+***基本仕様 [#e38591f6
-#ref(BTX030-frame1.png,60%,center) +|BGCOLOR(#d0d8e0):CENTER:|LEFT:|LEFT:|c 
-#ref(BTX030-frame2.png,80%,center) +|商品番号|BTX030B|<| 
-#ref(BTX030-bush.png,60%,center)+|ストールトルク|1.5N•m (at 12V, 1.5A)|<| 
 +|無負荷回転数|59rpm (at 12V)|<| 
 +|減速比|1/254|<| 
 +|モータ|コアドモータ|<| 
 +|出力軸動作範囲|位置決め制御時:0~300°(10ビット分解能), Endless Turn|<| 
 +|電源電圧範囲|9~12V (Recommended 11.1V)|<| 
 +|動作温度範囲|-5~+70℃|<| 
 +|重量|54.6g|<| 
 +|コマンドシグナル|デジタルパケット|<| 
 +|プロトコル|半二重非同期通信 8-1-N|<| 
 +|リンク方式|TTL Multi Drop(daisy chain type Connector)|<| 
 +|ID数|254 (0~253)|<| 
 +|通信速度|8k~1M bps|<| 
 +|フィードバック|位置, 速度, 温度, 負荷, 電源電圧|<| 
 +|材質| ケース |エンプラ| 
 +|~| ギア |ピニオンを除きエンプラ| 
 +|認証|&ref(DXLSHARE/ce.png);&ref(DXLSHARE/fcc.png);z|<|
-***3Dデータ [#oea7f740]+***寸法 [#lfe6430a] 
 +-本体 
 +#ref(BTX030B-dim.png)
-AXシリーズ及び付属フレームの3Dデータは以下よりダウンロードください。+-F2 
 +#ref(BTX030B-F2.png,center) 
 +#ref(BTX030B-bush.png,center) 
 +-F3 
 +#ref(BTX030B-F3.png,center)
--[[IGSファイル>http://www.besttechnology.co.jp/download/AX-​series_3D_IGS.zip]] +****CADデータ [#oea7f740] 
--[[STPファイル>http://www.besttechnology.co.jp/download/AX-​series_3D_STP.zip]]+-[[IGSファイル>https://www.besttechnology.co.jp/download/AX-​Aseries_3D_IGS.zip]] 
 +-[[STPファイル>https://www.besttechnology.co.jp/download/AX-​Aseries_3D_STP.zip]]
-**組立 [#u754ca0a+***各機能詳細 [#z3ae2944
-***OF-12SHの取付 [#h63a60c7+****コネクタ [#y78aab58] 
-図のようにAX-12にOF-12SHを取り付けます。 +*****3pin (TTL版) [#h041e189
-| #ref(BTX030-fix1.png,100%) |+-本体裏面の2カ所に配置 
 +-TTL I/F 
 +#ref(DXLSHARE/TTL_IF.png) 
 +-電源と通信用信号ラインが接続 
 +| Pats Name | Molex Parts Number |h 
 +|基板用ヘッダー |[[molex 22-03-5035>https://www.molex.com/molex/p​roducts/part-detail/pcb_headers/00220350​35]] | 
 +|ハウジング |[[molex 50-37-5033>https://www.molex.com/molex/p​roducts/part-detail/crimp_housings/00503​75033]] | 
 +|ターミナル |[[molex 08-70-1040>https://www.molex.com/molex/p​roducts/part-detail/crimp_terminals/0008​701040]] | 
 +#ref(DXLSHARE/molex_22-03-5035.png) 
 +| 端子番号 | 信号名 |h 
 +|1 |TTL Signal | 
 +|2 |VDD | 
 +|3 |GND |
-***OF-12Sの取付 [#y70eb63e+***基本的な固定方法 [#j48642de
-図のようにAX-12にOF-12Sを取り付けます。必要に応じOF-12SをAX-12の左面、右面、下面のいづれにも取り付けることができます。 +フレームにより以下の様な構成が可能です。 
-| #ref(BTX030-fix2.png,100%) | +-F2 
-**コネクタ [#w1827171] +#ref(BTX030B-F2fix.png) 
-|Pats Name |Molex Parts Number | +-F3 
-|基板用ヘッダー |[[22-03-5035>http://www.molex.com/molex/produ​cts/datasheet.jsp?part=active/0022035035​_PCB_HEADERS.xml&channel=Products&Lang=j​a-JP&lang=ja-JP]] | +#ref(BTX030B-F3fix.png)
-|ハウジング |[[50-37-5033>http://www.molex.com/molex/products/datasheet.jsp?p​art=active/0050375033_CRIMP_HOUSINGS.xml​&channel=Products&Lang=ja-jp]] | +
-|ターミナル |[[08-70-1040>http://www.molex.com/molex​/products/datasheet.jsp?part=active/0008​701040_CRIMP_TERMINALS.xml&channel=Produ​cts&Lang=ja-jp]] | +
-**ホストコントローラとの接続 [#f25d11d8]+
-ホストコントローラとして[[BTE083 FDIII-HC]]を利用できます。+**使用するにあたり [#i6d394a7] 
 +***配線 [#n3af2639] 
 +様々な配線方法が考慮されていますので、用途に応じた方法を選択します。 
 +#ref("BTE068C DXHUB/E148_DXL_connect.png", %80)
-***Dynamixelのピンアサイン [#g52d0625] +[[DXHUB>DXHUB2]]とDynamixelを接続する場合は、Robot Cable-X3P 180mm (Convertible)が別途必要です。
-Dynamixelのピン配列は次の図の様になっており、2ヶ所に装備されるコネクタはDynamixel内部で相互に接続されています。 +
-#ref(BTX030-pin1.png,100%) +
-***ホストと複数のDynamixelを接続 [#wd41f94f] +
-Dynamixelは複数台を同一のノードに接続して通信が可能ですが、同時に複数のDynamixelが送信を行なわない様にホストがプロトコルを運用しなくてはなりません。 +
-#ref(BTX030-pin2.png,90%) +
-***UARTとの接続 [#o56e439f] +
-Dynamixelを制御するには、ホストコントローラはUART信号をHalf duplexタイプに変換する必要があります。AX-12で設定できるボーレートと一致させるのが困難なホストコントローラは接続対象となりません。ここでは16MHzの外部クロックで動作させたAtmel社製 ATmega128のUSARTを想定しています。+
-Molex3PコネクタのPin1とPin2を通して電力をホストコントローラーからDynamixelに供給します。TTLのTxDとRxDのデータ信号による命令はDIR_CTRLに依存します。~ +なお、電源が供給された状態での配線作業は絶対に避けて下さい。
-・DIR_CTRL=High: TxDがデータとしてAX-12へ送信されます。~ +
-・DIR_CTRL=Low: AX-12からのデータがRxDとして入力されます。~ +
-DIR_CTRL信号は一般にDIOを使用します。制御方法としてはデータを送信する前にHighにし、送信データが完全に送信された状態を確認したらLowにして受信待機状態にします。この切り替えのタイミングがシビアなため、USARTの送受信完了等のステータスフラグによる割り込みを併用してコントロールすることを推奨します。 +
-**電源の投入 [#b3211311] +
-配線等を確認した上で電源を投入すると、電源ラインが正常であればDynamixelに装備されたLEDが点滅します。もし異常と思われたら即電源を切り、配線経路と電源の電圧/電流のリミットを確認して下さい。 +
-なお、Dynamixelはスタンバイ状態では1台あたり約50mA以下の消費電力です。+
-**通信プロトコル [#u352582a+***電源の投入 [#g5e9af66
-[[Dynamixel通信プロトコル]]ページ参照。+配線を終え電源を投入すると、正常であればDynamixelの背面上部に装備された赤色のLEDが0.5秒点滅した後消灯します(ホストからLEDの点灯指示等が無いものとする)。~ 
 +通信を行っていないにもかかわらず電源投入時にLEDが常時消灯ないし常時点灯した場合は、何らかの重大な問題が生じている可能性があります。まず電源を切り、配線方法やケーブル、電源装置を確認して下さい。~ 
 +LEDが一定周期で点滅し続ける場合は、Dynamixel自信が何かしらの異常を検出した時です。 
 + 
 +***通信プロトコルについて [#i788f637] 
 +Dynamixel(スレーブ)自らが勝手にデータを送信することは無く、別途用意されるPC等(マスターないしホスト)から送信されるデータをDynamixelが受信した際にのみデータを返信するといったマスタースレーブ方式を採用しています。また、予め決められた電文に従った(プロトコル)電文にのみ応答します。さらに、その1回分の電文をパケットと言います。~ 
 +#ref(DXLSHARE/DX_PacketProcess.png) 
 +Dynamixelシリーズには2種類の通信プロトコル(1.0と2.0)が存在し、本品はその2種類に対応しています。 
 + 
 +***シリアルI/Fについて [#te30938f] 
 +****TTL [#o5e1edca] 
 +DynamixelシリーズのTTL I/Fはシリアル通信を行う際の電気的な仕様の1つです。~ 
 +1つの信号線で送信と受信を行う半二重を選択しています。 
 +#ref(DXLSHARE/TTL_COMM.png) 
 + 
 +***IDについて [#d470ae2f] 
 +Dynamixelは出荷時において個体識別用のID(数字)が全て1に設定されいます。その状態のまま1つのネットワークに複数台接続してしまうと、ホストから個々のDynamixelを識別することができないまでか、全てのDynamixelが自分自身への指令と認識してしまいます。そのため、複数台を接続して使用する際は、必ず予め1台ずつ異なるIDを設定しておきます。~ 
 +#ref(DXLSHARE/RS485_MX_DifferentID.png) ​
 +IDを設定する際は先の識別の問題を回避するためホストが提供するネットワークに1台のみのDynamixelを接続し、複数台のDynamixelが接続されていない状態で作業を行う必要があります。 
 + 
 +***ボーレートについて [#s107c08f] 
 +Dynamixelのボーレートは高いほど大量のデータを短時間に送受信できます。しかしながら高いボーレートはケーブルの長さや等の外的要因が相まって、データそのものの信頼性が損なわれる確率が高くなります。~ 
 +また、複数台のDynamixelを使用する際は、全て同じボーレートに設定しておく必要があります。 
 + 
 +***コントロールテーブルとは [#n426f0ae] 
 +Dynamixel内に用意されたメモリ領域をここではコントロールテーブルと称します。コントロールテーブル中の任意のデータにアクセスする手段として通信プロトコロルが用意されています。~ 
 +ホストから指定されたIDを持ったDynamixelのコントロールテーブルに対して読み書きを行う事で全てを統括するため、先のIDやボーレートもコントロールテーブル上に配置されています。~ 
 +コントロールテーブルの詳細は[[後述の表>#]]に示します。 
 + 
 +***動作モードについて [#wf419b82] 
 +Dynamixelは用途に応じて複数の動作モードを選択できます。大きく分けて3つの基本動作を持ちます。 
 ++ホーンの角度を制御~ 
 +関節を構成する部位等に使用し、指定された角度を維持する。~ 
 +本Dynamixelでは「角度」とは言わず「位置」と称し、通常は0~360°の範囲でホーンの位置決めを行う。 
 +#ref(DXLSHARE/Ctrl_Pos.png) 
 ++ホーンの回転速度を制御~ 
 +車輪を構成する部位等に使用し、指定された回転速度を維持する。~ 
 +#ref(DXLSHARE/Ctrl_Velo.png) 
 ++モータの負荷を制御~ 
 +負荷に対してトルクを加える部位等に使用し、指定された負荷を制御する。~ 
 +#ref(DXLSHARE/Ctrl_Torque.png) 
 + 
 +これらの制御の切り替えや制御を行う際の条件の設定は、コントロールテーブル上に配置された様々なパラメータの値を変更することで行います。 
 + 
 +**Dynamixel通信プロトコル [#sa2194c4] 
 +#include(DYNAMIXEL Communiation Protocol 1.0,notitle)
**コントロールテーブル [#zae1301b] **コントロールテーブル [#zae1301b]
-[[Dynamixelコントロールテーブル(DX,RX,AXシリーズ用)]]ページ参照。+#include("Dynamixelコントロールテーブル(DX,RX,AXシリーズ用)",notitle)


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