3: 2009-07-03 (金) 12:54:27 sho ソース 4: 2009-07-03 (金) 18:50:56 sho ソース
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-**概要 [#sbf1e938] 
[[Dynamixelシリーズ>Dynamixelシリーズ 他#m101b537]](AX-12+、AX-S1、RX-28、RX-64)及び[[USS3>BTE069 USS3]]で共通の通信プロトコルです。~ [[Dynamixelシリーズ>Dynamixelシリーズ 他#m101b537]](AX-12+、AX-S1、RX-28、RX-64)及び[[USS3>BTE069 USS3]]で共通の通信プロトコルです。~
異なる機器でもIDさえ重複しなければ同一ネットワークでの運用が可能です。~ 異なる機器でもIDさえ重複しなければ同一ネットワークでの運用が可能です。~
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#ref(DxProt2.png,80%) #ref(DxProt2.png,80%)
複数のDynamixelユニットに同じID値が付けられていると、パケットの衝突が起こり、通信障害が生じます。そのため、1つのネットワークノード内には同一IDを持つDynamixelが存在してはなりません。 複数のDynamixelユニットに同じID値が付けられていると、パケットの衝突が起こり、通信障害が生じます。そのため、1つのネットワークノード内には同一IDを持つDynamixelが存在してはなりません。
- 
-**プロトコル [#f63e7535] 
-Dynamixelは8 bit, 1 Stop bit, None Parityの非同期通信をサポートします。通信速度は後述の数値範囲で任意に設定可能です。 
**インストラクションパケット構成 [#f7c5cc11] **インストラクションパケット構成 [#f7c5cc11]
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「Parameter数(N) + 2」を返します。 「Parameter数(N) + 2」を返します。
-&color(#000,#DDD){ERROR};~ -&color(#000,#DDD){ERROR};~
-Dynamixelの動作中に生じたエラーの状態を表します。エラーがある場合は各ビットが1になります。~ +Dynamixelの動作中に生じたエラーの状態を表します。エラーがある場合は各ビットが1になります。 
-|Bit|名称|内容| +| Bit | 名称 | 内容 | 
-|Bit7|-|-| +|Bit7| - | - | 
-|Bit6|Instruction Error|未定義のインストラクションが指定された、もしくはreg_writeなしでactionが指定された| +|Bit6| Instruction Error |未定義のインストラクションが指定された、もしくはreg_writeなしでactionが指定された| 
-|Bit5|Overload Error|指定された最大トルクで現在の負荷を制御できない| +|Bit5| Overload Error |指定された最大トルクで現在の負荷を制御できない| 
-|Bit4|Checksum Error|インストラクションパケットのチェックサムが正しく無い| +|Bit4| Checksum Error |インストラクションパケットのチェックサムが正しく無い| 
-|Bit3|Range Error|パラメータの設定範囲を超えた| +|Bit3| Range Error |パラメータの設定範囲を超えた| 
-|Bit2|Overheating Error|内部温度が設定温度を超えた| +|Bit2| Overheating Error |内部温度が設定温度を超えた| 
-|Bit1|Angle Limit Error|Angle Limitの範囲外にGoal Positionが指定された| +|Bit1| Angle Limit Error |Angle Limitの範囲外にGoal Positionが指定された| 
-|Bit0|Input Voltage Error|電源電圧が指定動作電圧の範囲を超えた|+|Bit0| Input Voltage Error |電源電圧が指定動作電圧の範囲を超えた|
-&color(#000,#DDD){PARAMETER 1~N};~ -&color(#000,#DDD){PARAMETER 1~N};~
インストラクションに従った追加情報を返します。~ インストラクションに従った追加情報を返します。~
Line 75: Line 71:
**インストラクションセット [#j7c4ce31] **インストラクションセット [#j7c4ce31]
以下が使用可能なインストラクションです。 以下が使用可能なインストラクションです。
-|Instruction|Function|Value|Number of Parameter| +| Instruction | Function | Value | Number of Parameter | 
-|PING|動作なし&br;ステータスパケットを得るのに使用します|0x01|0| +| PING |動作なし&br;ステータスパケットを得るのに使用します| 0x01 | 0 | 
-|READ DATA|コントロールテーブルの読み込みです|0x02|2| +| READ DATA |コントロールテーブルの読み込みです| 0x02 | 2 | 
-|WRITE DATA|コントロールテーブルへの書き込みです|0x03|2~| +| WRITE DATA |コントロールテーブルへの書き込みです| 0x03 | 2~ | 
-|REG WRITE|WRITE_DATAと同じですが、ACTIONが与えられるまでスタンバイモードになります|0x04|2~| +| REG WRITE |WRITE_DATAと同じですが、ACTIONが与えられるまでスタンバイモードになります | 0x04 | 2~ | 
-|ACTION|REG_WRITEで保持された動作を実行します|0x05|0| +| ACTION |REG_WRITEで保持された動作を実行します| 0x05 | 0 | 
-|RESET|Dynamixelのコントロールテーブルの値を製造時のデフォルトの値に戻します|0x06|0|+| RESET |Dynamixelのコントロールテーブルの値を製造時のデフォルトの値に戻します| 0x06 | 0 |
***WRITE_DATAインストラクション [#za2d7929] ***WRITE_DATAインストラクション [#za2d7929]
Line 95: Line 91:
コントロールテーブルのAddress3に1を書き込みます。IDはBroadcast ID(0xFE)を使って送信します。~ コントロールテーブルのAddress3に1を書き込みます。IDはBroadcast ID(0xFE)を使って送信します。~
~ ~
-''インストラクションパケット : 0xFF 0xFF 0xFE 0x04 0x03 0x03 0x01 0xF6'' +''インストラクションパケット : 0xFF 0xFF 0xFE 0x04 0x03 0x03 0x01 0xF6''~ 
- +~
-|ヘッダ|ID|LENGTH|INSTRUCTION|PARAMETERS|CHECKS​UM| +
-|0xFF 0xFF|0xFE|0x04|0x03|0x03 0x01|0xF6|+
Broadcast ID(0xFE)で送信したため、ステータスパケットは返ってきません。 Broadcast ID(0xFE)で送信したため、ステータスパケットは返ってきません。
-**READ_DATAインストラクション [#f183fe48]+***READ_DATAインストラクション [#f183fe48]
Dynamixel内部のコントロールテーブルのデータを読み出します。ステータスパケットはコントロールテーブルのStatus Return Level(Adress16)が2に設定されている場合にのみ返信されます。~ Dynamixel内部のコントロールテーブルのデータを読み出します。ステータスパケットはコントロールテーブルのStatus Return Level(Adress16)が2に設定されている場合にのみ返信されます。~
~ ~
Line 111: Line 105:
例) IDが1のDynamixelの内部温度(Address 0x2B 1byte)を読み込む~ 例) IDが1のDynamixelの内部温度(Address 0x2B 1byte)を読み込む~
~ ~
-''インストラクションパケット : 0xFF 0xFF 0x01 0x04 0x02 0x2B 0x01 0xCC'' +''インストラクションパケット : 0xFF 0xFF 0x01 0x04 0x02 0x2B 0x01 0xCC''~ 
-|ヘッダ|ID|LENGTH|INSTRUCTION|PARAMETERS|CHECKS​UM| +~ 
-|0xFF 0xFF|0x01|0x04|0x02|0x2B 0x01|0xCC| +''ステータスパケット : 0xFF 0xFF 0x01 0x03 0x00 0x20 0xDB''~ 
-''ステータスパケット : 0xFF 0xFF 0x01 0x03 0x00 0x20 0xDB'' +~
-|ヘッダ|ID|LENGTH|ERROR|PARAMETER1|CHECKSUM| +
-|0xFF 0xFF|0x01|0x03|0x00|0x20|0xDB|+
-**REG_WRITEインストラクション [#m9b4cdbe]+***REG_WRITEインストラクション [#m9b4cdbe]
REG_WRITEはWRITE_DATAとほぼ同じですが実行タイミングが違います。インストラクションパケットを受け取ると値はバッファに格納され、WRITEインストラクションがスタンバイの状態になります。このとき、Registered Instruction(Address44)が1に設定されます。ACTIONインストラクションパケットを受け取った後、格納されたWRITEインストラクションが実行されます。~ REG_WRITEはWRITE_DATAとほぼ同じですが実行タイミングが違います。インストラクションパケットを受け取ると値はバッファに格納され、WRITEインストラクションがスタンバイの状態になります。このとき、Registered Instruction(Address44)が1に設定されます。ACTIONインストラクションパケットを受け取った後、格納されたWRITEインストラクションが実行されます。~
~ ~
Line 128: Line 120:
&color(#000,#DDD){PARAMETER N+1}; : 書き込むN番目のデータ~ &color(#000,#DDD){PARAMETER N+1}; : 書き込むN番目のデータ~
-**ACTIONインストラクション [#v7f41414]+***ACTIONインストラクション [#v7f41414]
REG_WRITEで格納されたインストラクションを実行します。~ REG_WRITEで格納されたインストラクションを実行します。~
~ ~
Line 137: Line 129:
複数のDynamixelを同時に動作させるときにはACTIONが役立ちます。複数のDynamixelを制御するとき、1番目と最後のDynamixelの間にわずかな遅延が発生します。ACTIONを使うことでこの問題を解決することができます。2個以上のDynamixelへACTIONを送信するときにBroadcast ID(0xFE)を使用します。Broadcast IDを使用するとパケットが一切返ってこないことに注意して下さい。 複数のDynamixelを同時に動作させるときにはACTIONが役立ちます。複数のDynamixelを制御するとき、1番目と最後のDynamixelの間にわずかな遅延が発生します。ACTIONを使うことでこの問題を解決することができます。2個以上のDynamixelへACTIONを送信するときにBroadcast ID(0xFE)を使用します。Broadcast IDを使用するとパケットが一切返ってこないことに注意して下さい。
-**PINGインストラクション [#ya8e46c6]+***PINGインストラクション [#ya8e46c6]
ノード中にある特定IDを持つDynamixelの存在を確認するときに使用します。指定されたIDを持ったDynamixelは、Broadcast IDを使用している、またはStatus Return Level(Adress16)に関わらず常にステータスパケットを返します。~ ノード中にある特定IDを持つDynamixelの存在を確認するときに使用します。指定されたIDを持ったDynamixelは、Broadcast IDを使用している、またはStatus Return Level(Adress16)に関わらず常にステータスパケットを返します。~
~ ~
Line 146: Line 138:
例) IDが1のDynamixelへPINGを行なう~ 例) IDが1のDynamixelへPINGを行なう~
~ ~
-''インストラクションパケット : 0xFF 0xFF 0x01 0x02 0x01 0xFB'' +''インストラクションパケット : 0xFF 0xFF 0x01 0x02 0x01 0xFB''~ 
-|ヘッダ|ID|LENGTH|INSTRUCTION|CHECKSUM| +~ 
-|0xFF 0xFF|0x01|0x02|0x01|0xFB| +''ステータスパケット : 0xFF 0xFF 0x01 0x02 0x00 0xFC''~ 
-''ステータスパケット : 0xFF 0xFF 0x01 0x02 0x00 0xFC'' +~
-|ヘッダ|ID|LENGTH|ERROR|CHECKSUM| +
-|0xFF 0xFF|0x01|0x02|0x00|0xFC|+
-**RESETインストラクション [#d80745da]+***RESETインストラクション [#d80745da]
Dynamixelのコントロールテーブルの値を出荷時の初期値に戻します。~ Dynamixelのコントロールテーブルの値を出荷時の初期値に戻します。~
~ ~
Line 161: Line 151:
~ ~
例) IDが0のDynamixelを出荷時の設定に戻す~ 例) IDが0のDynamixelを出荷時の設定に戻す~
-''インストラクションパケット : 0xFF 0xFF 0x00 0x02 0x06 0xF7'' +
-|ヘッダ|ID|LENGTH|INSTRUCTION|CHECKSUM| +''インストラクションパケット : 0xFF 0xFF 0x00 0x02 0x06 0xF7''~ 
-|0xFF 0xFF|0x00|0x02|0x06|0xF7| +~ 
-''ステータスパケット : 0xFF 0xFF 0x00 0x02 0x00 0xFD'' +''ステータスパケット : 0xFF 0xFF 0x00 0x02 0x00 0xFD''~ 
-|ヘッダ|ID|LENGTH|ERROR|CHECKSUM| +~
-|0xFF 0xFF|0x00|0x02|0x00|0xFD|+
RESETを実行した後、DynamixelのIDが1に変わっていることに注意して下さい。 RESETを実行した後、DynamixelのIDが1に変わっていることに注意して下さい。
-**SYNC_WRITEインストラクション [#d25e994b]+***SYNC_WRITEインストラクション [#d25e994b]
同時に複数のDynamixelを制御します。SYNC_WRITEは1つのインストラクションパケットで複数のインストラクションを送るので通信時間を減らすことが可能です。しかし、書き込むデータのアドレスとデータ長が同じインストラクションに限ります。また、Broadcast IDの使用が必要です。~ 同時に複数のDynamixelを制御します。SYNC_WRITEは1つのインストラクションパケットで複数のインストラクションを送るので通信時間を減らすことが可能です。しかし、書き込むデータのアドレスとデータ長が同じインストラクションに限ります。また、Broadcast IDの使用が必要です。~
~ ~


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