1: 2016-11-22 (火) 18:47:11 takaboo ソース
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 +TITLE:ZEAL USBアダプタマニュアル
 +#norelated
 +#contents
 +[[ショップページへ>http://www.besttechnology.co.jp/modules​/onlineshop/index.php?fct=photo&p=174]]
 +**ZEAL USBアダプタの特徴 [#FEATURE]
 +-BluetoothモジュールZEALシリーズ用
 +-ZEAL-C02搭載
 +-外部電源不要(USBバスパワー)
 +-超小型
 +
 +**概要 [#p406579f]
 +ZEAL USBアダプタは組み込み向けBluetoothモジュールであるZEAL-C02をPCなどのUSBポートに接続して使用する製品です。~
 +USBのバスパワーで動作するため、別途外部電源を必要としません。
 +
 +**仕様 [#b6e6f0fd]
 +***同梱内容 [#raa6fbde]
 +| 型式 | 数量 | 備考 |h
 +|USBアダプタ及びZEAL-C02 | 1|- |
 +''※microUSBケーブルは付属しません''
 +
 +***基本仕様 [#ff48eac1]
 +|商品番号 |<|BTX036 |
 +|PCBリビジョン |<|E115 (2層) |
 +|I/F |<|USB(CDC ACM) (ZEALのTX/RX/RTS/CTSを接続)&br;ディップスイッチ (ZEALのMODE0,1を接続)&br;接続モニタLED (ZEALのSTOを接続) |
 +|ZEAL-C02|認証等 |Bluetooth Ver2.1+EDR準拠(Class2)&br;国内電波法(工事設計認証)&br;FCC(北米),IC(カナダ), KC(韓国) |
 +|^|プロファイル |SPP, DUN(※DTのみ) |
 +|^|周波数 |2402-2480MHz |
 +|^|変調方式 |GFSK(1Mbps), π/4-DQPSK(2Mbps), 8DPSK(3Mbps) |
 +|^|拡散方式 |周波数ホッピング |
 +|^|チャンネル間隔 |1MHz |
 +|^|チャンネル数 |79ch |
 +|^|伝送速度 |3Mbps (asymmetrical max) ※無線部の最大値 |
 +|^|最大受信感度 |-70dBm |
 +|^|最大送信電力 |+4dbm&br;Bluetooth TX power class2 |
 +|^|通信距離 |約10m (使用環境による) |
 +|^|端末通信速度 |1200~921600bps |
 +|^|電源|DC3.3V |
 +|^|消費電流|最大70mA以下 |
 +|電源 |<|USBバスパワー |
 +|外形寸法 |<|17x33mm |
 +|重量 |<|約10g |
 +|付属品 |<| |
 +|環境配慮 |<|RoHS準拠, 鉛フリー半田 |
 +
 +***外観・レイアウト [#cdb0e20a]
 +| top (with ZEAL) | top (E115 only) |h
 +| side |<|h
 +| #ref(E115_TOP.png,50%) | #ref(E115_TOP2.png,50%) |
 +| #ref(E115_SIDE.png,50%) |<|
 +
 +| 3D |h
 +| [[3D pdf>http://www.besttechnology.co.jp/down​load/3D/E115_3D.pdf]] |
 +
 +#ref(E115_Layout.pdf)
 +
 +***回路図 [#l2bee4a8]
 +#ref(E115_SCH.pdf)
 +
 +***各機能詳細 [#w00f2876]
 +
 +****CN1 [#dbb7b848]
 +-[[HIROSE DF12(3.0)-30DP-0.5V(86)>https://www.hiro​se.com/product/jp/products/DF12/DF12(3.0​)-30DP-0.5V(86)/]]
 +-ZEAL-C02装着用
 +
 +****CN3 [#f1f2d9bf]
 +-USB-microB
 +-USBシリアル変換ICに接続されている他にバスパワーを供給
 +
 +|CENTER:BGCOLOR(red): :idea:|microUSBケーブルは同梱されませんので、市販のUSB[micro-B]<->USB[A]ケーブルを別途お買い求めの上ご利用下さい。|
 +
 +****LED1 [#h1a2be31]
 +-緑色 LED
 +-ZEALのSTO端子にシンク接続
 +-ZEALの無線接続状態を表示
 +
 +****PB1 [#obe78bf0]
 +-プッシュスイッチ
 +-[[DIP1>#tb5bc8fb]]にて起動モードを変更した後にPB1を0.5秒以上押下して放すとZEAL-C02が再起動
 +
 +****DIP1 [#tb5bc8fb]
 +-2ビットディップスイッチ
 +-使用する際は表面の保護フィルムをはがす事
 +-電源印加時及び[[PB1>#obe78bf0]]によるリセット後の起動モードを設定~
 +#ref(E115_DIP1.png,100%)
 +| 起動モード | DIP1-1 (MODE0) | DIP1-2 (MODE1) | 機能 |h
 +|通常モード | OFF(1) | OFF(1) |起動時、端末通信速度を9600bpsにしてコマンド状態となる |
 +|設定値起動モード | ON(0) | OFF(1) |事前に設定された条件でコマンド状態となる |
 +|自動接続or自動待受モード | OFF(1) | ON(0) |事前に設定された条件で自動接続(マスター)ないし自動待受待(スレーブ)を実行する |
 +|ファームウェア書込モード | ON(0) | ON(0) |ファームウェアのアップデートに使用 |
 +
 +**使用方法 [#lae38874]
 +以前はZEALとWindows PCをBluetoothで接続する説明を掲載していましたが、最近のWindowsのスタック等の完成度に大きな差があるため掲載を取りやめます。~
 +今後はZEAL同士を接続する場合に限って解説しますが、どうしてもという場合に限り、[[こちら>http://www.musenka.com/info/bluetooth_c​onnectable_device_list.html]]を参照ください。
 +
 +***まず始めに [#hcc7fd88]
 +
 +****デバイスドライバ [#f413c487]
 +USBアダプタにはFTDI社製のUSBシリアル変換ICが搭載されています。最近のOSであれば接続るだけで自動的にデバイスドライバがインストールされ、新たにCOMポートが作られます。~
 +もしデバイスドライバを要求されるなら、[[こちら>ftdi]]のページに従いデバイスドライバをインストールします。
 +
 +****シリアルターミナル [#z1f75410]
 +ZEAL USBアダプタの設定や動作確認にはシリアルターミナルソフトウェアが必要です。~
 +[[Tera Term>http://sourceforge.jp/projects/ttss​h2/]]や[[GCC Developer Lite]]に付属する[[SIMPLE TERM>GDL#STERM]]等を利用して下さい。
 +
 +また、ZEALはハードウェアフロー制御が必須のため、シリアルターミナル上で必ずRTC/CTSを使用したハードウェアフロー制御を使用する設定を行っておきます。
 +
 +|COMポートのプロパティ|<|h
 +|ビット/秒|9600bps等|
 +|データビット|8|
 +|パリティ|なし|
 +|ストップビット|1|
 +|フロー制御|''ハードウェア''(RTS/CTS)|
 +
 +****キャラクタコード [#f5b3a2eb]
 +以後の説明で &size(5){CR}; はキャリッジリターンコード(0x0D)、&size(5){LF}; はラインフィードコード(0x0A)を意味します。改行の扱いは使用するシリアルターミナルによって異なる場合がありますので、注意する必要があります。~
 +また、大文字と小文字は違う物として判断されます。
 +なお、入力したコマンドはZEALからはエコーバックされないのと、入力ミスを修正する方法がありません。確認しながら入力するには、シリアルターミナルの入力エコーバック表示などを利用する他ありません。
 +
 +***ZEAL同士の自動接続 [#f648b4aa]
 +
 +****通常モードのZEAL [#y9f547d0]
 +USBアダプタのDIP1によりZEALの動作モードを切り替えますが、ZEALが通常モードであるかを確認する方法があります。
 ++DIP1の両ビット共にOFFにし、PB1を押してリセット。
 ++シリアルターミナルでUSBアダプタのCOMポートを9600bpsで開く。
 ++正常であれば次のコマンド(黒字)を入力した際に応答(青字)が返る。~
 +>BT&size(5){CR};~
 +&color(blue,){ZEAL&size(5){CR}; &size(5){LF};};~
 +<
 +
 +****自動待受側のZEALの設定 [#dd486e9a]
 +自ら他のデバイスに接続する事は無く、ひたすら他のデバイスから接続されるのを待ちます。なお、ZEALが出荷時の設定である事を前提としているため、ここでは必要最低限のコマンドのみを記載します。
 ++DIP1の両ビット共にOFFにし、PB1を押してリセット。
 ++シリアルターミナルからUSBアダプタのCOMポートを9600bpsで開く。
 ++シリアルターミナルで以下のコマンド(黒字)を入力し応答(青字)が返える事を確認する(ここではZEALが「00214FC2F5A6」というBDアドレスを返しているが、個々のZEALは全てユニークなBDアドレスを持つ)。~
 +>BTM&size(5){CR}; &color(green,){自分自身のBDアドレスを取得};~
 +&color(blue,){''00214FC2F5A6''&size(5){C​R}; &size(5){LF};}; &color(green,){自分自身のBDアドレス};~
 +BTLO00&size(5){CR}; &color(green,){動作モード:自動待受};~
 +&color(blue,){ACKN&size(5){CR}; &size(5){LF};}; &color(green,){設定完了};
 +<
 ++DIP1-1をOFF、DIP1-2をONにし、PB1を押してリセット。
 +
 +****自動接続側の設定 [#q298621d]
 +他のデバイスからは接続ができず、設定された他のデバイスへ接続します。
 ++DIP1の両ビット共にOFFにし、PB1を押してリセット。
 ++シリアルターミナルからUSBアダプタのCOMポートを9600bpsで開く。
 ++シリアルターミナルで以下のコマンド(黒字)を入力し応答(青字)が返える事を確認する。~
 +>BTLO01&size(5){CR}; &color(green,){動作モード:自動接続};~
 +&color(blue,){ACKN&size(5){CR}; &size(5){LF};}; &color(green,){設定完了};~
 +BTI88&size(5){CR}; &color(green,){周囲のデバイスを検索(8台まで・10秒間)};~
 +&color(blue,){ACKN&size(5){CR}; &size(5){LF};}; &color(green,){コマンドを受け取った事への応答};~
 +&color(blue,){38C09640F400&size(5){CR}; &size(5){LF};}; &color(green,){見つかったデバイスのBDアドレス};~
 +&color(blue,){38C09640F401&size(5){CR}; &size(5){LF};};~
 +&color(blue,){38C09640F402&size(5){CR}; &size(5){LF};};~
 +&color(blue,){''00214FC2F5A6''&size(5){C​R}; &size(5){LF};}; &color(green,){←先に自動待受に設定したZEAL};~
 +&color(blue,){TERM&size(5){CR}; &size(5){LF};}; &color(green,){検索終了};~
 +<
 +なお、ここでは4台の既存のデバイスが見つかったものと仮定している。
 ++複数検索されたデバイスの中に自動待受に設定したZEALと同じBDアドレスが見つかっていればそのデバイスへ接続する設定を行う。~
 +>BTLT''00214FC2F5A6''&size(5){CR}; &color(green,){接続先のBDアドレスを設定};~
 +&color(blue,){ACKN&size(5){CR}; &size(5){LF};}; &color(green,){設定完了};~
 +<
 ++DIP1-1をOFF、DIP1-2をONにし、PB1を押してリセット。
 +***ボーレートを変更する [#df867f8a]
 +自動接続ないし自動待受モードのZEALのボーレートは、出荷時に9600bpsに設定されています。USBアダプタが接続されたPCのアプリケーションにおいても9600bpsを選択して通信する事になりますが、端末のスループットはこのボーレートに制限を受けます。~
 +
 +次の表に基づいてBTLBコマンドの引数を正確に入力します。
 +|ボーレート[bps]|コマンド|
 +|1200|BTLB12&size(5){CR};|
 +|2400|BTLB24&size(5){CR};|
 +|4800|BTLB48&size(5){CR};|
 +|9600|BTLB96&size(5){CR};|
 +|19200|BTLB192&size(5){CR};|
 +|38400|BTLB384&size(5){CR};|
 +|57600|BTLB576&size(5){CR};|
 +|115200|BTLB1152&size(5){CR};|
 +|230400|BTLB2304&size(5){CR};|
 +|460800|BTLB4608&size(5){CR};|
 +|921600|BTLB9216&size(5){CR};|
 +設定が正常に完了すると、エンターキーを押した直後に「ACKN」の応答が返ります。
 +
 +最後にDIP1-1をOFF、DIP1-2をONにし、PB1を押してリセットして設定完了です。~
 +
 +以後ZEALは設定されたボーレートでのみ端末と通信するため、シリアルターミナルのボーレートもZEALに設定した値に一致させます。~
 +なお、通常モード時は本設定にかかわらず常時9600bpsですが、設定値起動モード時は本設定のボーレートで動作します。
 +
 +**データシート [#re82208c]
 +ZEAL-C02の仕様書等は[[こちらのサイト>http://www.musenka.com/bluetooth/c02.ht​ml]]を参照下さい。


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