有償betaテスター向け情報となります。
本製品は独立した2つのブラシ付DCモータ用ブリッジ回路を搭載したモータアンプです。
モータドライバの他に10本のGPIO端子とUSB・RS-485の2種類のI/Fを装備していますので、様々なホストとのコミュニケーションをサポートします。
C言語によるプログラミングが必要になりますが、フリーの開発環境であるGCC Developer Liteで開発を行う事ができます。また、リアルタイムオペレーティングシステムとしてFreeROTSを採用していますので、複数の処理を同時にこなすシステムが構成できます。
使用方法によっては人や財産を失う恐れがある可能性があります。本ドキュメントを熟読し、危険性の理解と運用方法を順守してください。 |
品名 | 数量 | 備考 |
CAP MODULE | 1個 | E152 |
UD4 | 1個 | E166 |
I/O EXPANDER | 1個 | E167 |
コネクタキット | 1式 | EHR-4 x1 SEH-00x x4 XT60 x1 ストロングゴールドコネクター x1 PHR-12 x1 PHR-16 x1 SPH-002T-P0.5S x30 |
ケーブル | 1本 | I/O EXPANDER用200mmクロスケーブル |
※microUSBケーブルは付属しません
品番 | BTA030beta | |
PCBリビジョン | CAP MODULE | E152 |
UD4 | E166 | |
I/O EXPANDER | E167 | |
外形寸法 | CAP MODULE | 39x16x45mm |
UD4 | 61x40x10.5mm | |
I/O EXPANDER | 58x18x12.8mm | |
動作温度範囲 | -10~+60℃ 結露無きこと | |
重量 | CAP MODULE | xxg |
UD4 | xxg | |
I/O EXPANDER | xxg | |
MPU | NXP LPC824M201JHI33E (フラッシュROM:32k, RAM:8kbyte) | |
UD4アナログ入力 | 入力電圧範囲 | 0~3.3V |
入力インピーダンス | 0.1MΩ | |
UD4デジタル入出力 | デジタル入力Lowレベル検出電圧範囲 | -0.5~1.5V |
デジタル入力Highレベル検出電圧範囲 | 1.5~5.5V | |
シンク・ソース電流 | 最大40mA | |
デジタル出力High電圧 | 2.9~3.3V | |
デジタル出力Low電圧 | 0~0.4V | |
I/O EXPANDERデジタル入出力 | デジタル入力Lowレベル検出電圧範囲 | -0.5~1.5V |
デジタル入力Highレベル検出電圧範囲 | 3.5~5.5V | |
シンク・ソース電流 | 最大25mA | |
デジタル出力High電圧 | 4.5~5.0V | |
デジタル出力Low電圧 | 0~0.2V | |
UD4モータドライバ | 回路構成 | NchパワーMOSFETによるHブリッジ |
チャネル数 | 2 | |
象限数 | 4 | |
入力 | DC3~DC24V 絶対最大定格電圧:DC85V | |
出力 | 定格電流50A FET 最大定格電流:300A パルス電流:1200A | |
許容損失電力 | 375W @25℃ | |
MPU及びセンサ電源 | 入力 | DC8~24V 絶対最大定格電圧:DC75V |
出力 | DC5V 7A(最大) | |
HMI | UD4 | リセット用プッシュスイッチ x1 LED x2 |
I/O EXPANDER | リセット用プッシュスイッチ x1 ロータリディップスイッチ x1 プッシュスイッチ x2 | |
コネクタ等 | CAP MODULE | 2-Φ3.5mmランド |
UD4 | USBデバイス: microBx1 I2C: B6B-PH-SM4-TB x1 GPIO: B12B-PH-SM4-TB x1 Dynamixel I/F: JST B4B-EH x2 モータ用電源: 2-Φ4.2mmランド モータ出力: ベタランド x4 | |
I/O EXPANDER | I2C: S6B-PH-SM4-TB x1 GPIO: S15B-PH-SM4-TB x1 | |
環境配慮 | 鉛フリー半田・RoHS対応 |
microUSBケーブルは同梱されませんので、市販のUSB[micro-B]<->USB[A]ケーブルを別途購入の上利用下さい。 |
電源の逆接続は電源回路の即時破壊・全損扱いとなる。 |
端子番号 | 信号名 |
1 | GND |
2 | VDD |
3 | RS-485 D+ |
4 | RS-485 D- |
電源の逆接続はブリッジ回路の即時破壊・全損扱いとなる。 |
Manufacturer | Parts Number |
KOPROPO | No.05022 |
Manufacturer | Parts Number |
JST | B6B-PH-SM4-TB |
No. | 端子名称 | I/O |
1 | GND | - |
2 | RESET | I/O |
3 | SCL | I/O |
4 | SDA | I/O |
5 | 5V | O |
6 | GND | - |
Manufacturer | Parts Number |
JST | B12B-PH-SM4-TB |
No. | 端子名称 | I/O |
1 | GPIO0(PIO0_7/ADC0) | I/O |
2 | GPIO1(PIO0_6/ADC1) | I/O |
3 | GPIO2(PIO0_14/ADC2) | I/O |
4 | GPIO3(PIO0_23/ADC3) | I/O |
5 | GPIO4(PIO0_22/ADC4) | I/O |
6 | GPIO5(PIO0_21/ADC5) | I/O |
7 | GPIO6(PIO0_20/ADC6) | I/O |
8 | GPIO7(PIO0_19/ADC7) | I/O |
9 | GPIO8(PIO0_18/ADC8) | I/O |
10 | GPIO9(PIO0_17/ADC9) | I/O |
11 | 5V | O |
12 | GND | - |
UD4の基板エッジの切り込みを介して表裏に装備されたFETの端子に直結。静電防止対策を行った上でリード線などの半田付けを行う事 | |
M1_A及びM1_Bのランド近傍にある異なる信号のランドには絶対に接触させてはならない |
UD4の基板エッジの切り込みを介して表裏に装備されたFETの端子に直結。静電防止対策を行った上でリード線などの半田付けを行う事 | |
M2_A及びM2_Bのランド近傍にある異なる信号のランドには絶対に接触させてはならない |
Manufacturer | Parts Number |
JST | S6B-PH-SM4-TB |
No. | 端子名称 | I/O |
1 | GND | I |
2 | 5V | I |
3 | SDA | I/O |
4 | SCL | I/O |
5 | RESET | I/O |
6 | GND | I |
Manufacturer | Parts Number |
JST | S15B-PH-SM4-TB |
No. | 端子名称 |
1 | 5V |
2 | P0_0 |
3 | P0_1 |
4 | P0_2 |
5 | P0_3 |
6 | P0_4 |
7 | GND |
8 | 5V |
9 | P0_5 |
10 | P0_6 |
11 | P0_7 |
12 | P1_0 |
13 | P1_1 |
14 | GND |
15 | GND |
モータの逆起電力などにより電圧の変動が起こりますが、その際に半導体の絶対最大定格を超えると容易に破壊します。付属のデカップリングコンデンサは必ず電源に対して並列に挿入してください。
MPU及びセンサ電源を供給せずにモータ用電源のみを供給してもモータが勝手に動く事はありませんが、その状態が長時間維持される事は想定していません。両電源ともほぼ同時に印加するようにして下さい。
なお、MPU及びセンサ電源のみが供給されモータを駆動するプログラムが既に実行されている場合、その状態で後からモータ用電源を供給してもゲートドライバは活性化しません。
両電源が供給された状態になってからゲートドライバへイネーブルを発行する必要があります。
PCのUSBバスパワーはUD4の電源として供給されません。MPU電源を供給した状態でPCと接続する事で初めてUSBシリアル変換チップが活性化します。
USB(CN1)はUSBシリアル変換ICにつながっており、PCと接続するとFTDI社のデバイスドライバが要求されます。デバイスドライバはこちらのページを参考にインストールしてください。
PCには仮想シリアルポートとしてCOMポートが追加されます。
RS-485 I/F(CN2,CN3)はDynamixel Xシリーズと電気的に互換性を持っています。ユーザプログラムによってDynamixelプロトコルのホストにもクライアントにも使用でき、単純なコンソールとしても機能させることができます。
なお、RS-485 I/Fによるブートローダのコマンドモードはサポートしません。
UD4に予め書き込まれているブートローダによりUSBを経由してシリアル通信を行い、PCからユーザプログラムの転送や諸設定を行う事ができます。
PCにインストールしたSIMPLE TERMでUSBシリアル変換が提供する仮想COMポートを開き、ブートローダのコマンドモードに入ると、次のメッセージが表示されます。
LPC82x BL1.3 >
この状態で'?'を入力すると、使用できるコマンドの一覧が表示されます。
>? LPC82x BL1.3 w:write e:erase d:dump g:go >
なお、ユーザプログラムが書き込まれている場合は、電源投入直後にユーザプログラムが実行されるため、ブートローダのコマンドモードにはなりません。
再度ユーザプログラムの転送や消去といった操作を行う場合は、SIMPLE TERM上で「!」を押したままPB1を押してリセットして下さい。ブートローダはコマンドモードへ遷移します。
GCC Developer Liteの詳細についてはこちらで紹介していますが、UD4では公式版ではないものを使用します。
本来であればインストーラーを用いて必要なファイルを自動的にインストールするものですが、ここではGCC Developer Liteがインストールされた状態をそのままzip形式で圧縮し自己解凍ファイルにしたものを提供します。
他のバージョンのGCC Developer Liteを使用している場合は、上書きコピー等はしないよう注意して下さい。
ダウンロードしたフィルを実行すると、「C:\Program Files」もしくは「C:\Program Files (x86)」フォルダの配下に展開されます。
既に別のバージョンを使用している場合は、ダウンロードしたファイルを予めアーカイバで展開しておき、ルートフォルダ名をBestTech2等に変更するなどしてから、「C:\Program Files」もしくは「C:\Program Files (x86)」フォルダの配下に移動します。
また、ショートカット等は作成されませんので、展開先の「C:\Program Files\BestTech\GCC Developer Lite\GCCDevL.exe」へのショートカットをデスクトップ等に作っておくと良いでしょう。
なお、最新のノートンインターネットセキュリティーにてスキャン済みですが、相当量のバイナリファイルが他社のアンチウィルスで排除される可能性があります。正常に動作しない場合はアンチウィルスにて必要なファイルが削除されていると思われます。
更に、インストーラーを用いていない弊害がいくつか生じるため、初回のみ以下の手順を踏んで下さい。
UD4をサポートするのはGCC Developer Lite Version2.6.0.55以降となります。
UD4で使用される主要なコンポーネントを簡単に紹介します。
ソースプログラムを編集するためのテキストエディタとその他のツールを起動するためのランチャ機能を有する。
汎用シリアルターミナル。簡易的なTELNETクライアントとしても機能する。
USB等で提供されるCOMポートの動的な検出と、COMポートを使用する弊社ツールとの排他制御機能を持つ。
ARMコア向けC/C++言語向けのコンパイラ。できる限り最新のパッチを適用しているため、時に互換性を失う。
MPUの内蔵ペリフェラルを定義したヘッダファイルやUARTを簡便に使うためのAPI、GDBにてデバッグする際に使用する初期化ファイル、シリーズ毎に異なるメモリマップを定義したリンカスクリプトファイル、スタートアップルーチンを含む。基本的にコンパイル済みライブラリとしてソースとリンクして使用する。
GCC Developer LiteではUD4用の設定を1種類備えています。
以下にUD4に対応した設定リストの一覧とその設定における機能を紹介します。
NXP LPC824用のペリフェラルライブラリとFreeRTOSを提供。
ビルドするとブートローダにてMPUのフラッシュROMへ転送するための.bin(バイナリ)ファイルが作られる。
ビルドが成功すると、STERM.exe(SIMPLE TERM)が起動する。
ブートローダはUD4のUSBを使用してユーザーログラムの書き換えや諸々の操作を行う事ができます。
ブートローダを使用して動作するプログラムが構成できる設定リストは以下の通りで、これ以外の設定リストで構成されたプログラムをブートローダで転送しても正常に動作しないまでか、ボードが破損する可能性があります。
SIMPLE TERMからCOMポートを選択(COMポート番号はPCの環境によって変わるが、デバイス名に「USB Serial Port」が表示されたポートを選択)しオープンする事で、SIMPLE TERMからUD4のブートローダの各種コマンドが使用できる様になります。その他の設定は以下の通りです。
Baudrate:115200bps Databits:8 Stopbits:1 Parity:Non Flow Control:Non Protocol:Xmodem
なお、UD4にユーザプログラムが既に書き込まれている場合は、電源投入直後にそのユーザプログラムが自動的に実行されてしまいますので、その際はSIMPLE TERM上で'!'キーを押しっぱなしにしながらPB1を押して下さい。
先の設定リストでソースプログラムをコンパイルし成功するとSTERM.exe(SIMPLE TERM)が自動起動されます。COMポート以外に関しては、以下の条件で起動します。
UD4のブートローダがコマンドモードであれば、SIMPLE TERMのメニューから「スクリプト実行[STERM_LPC82x]」をクリックするだけで、転送するファイルを手動で選択する事無く転送にかかる処理と実行までが全て自動的に行われます。
本機能により、手動で間違ったファイルを選択して転送してしまったり、転送不可能な状態で転送をしてしまうといったミスを軽減する事ができます。
GCC Developer Liteでは1つのソースプログラムのみを対象とするため、機能別にソースを分割して編集やコンパイルするといった使い方はできません(完全にできないという訳でもありません)。だからと言って全ての機能を一つのソースに記述する事は、プログラムの見通しが悪くなりバグの温床になりかねません。
そこで、複数のソースに分割する事無くある程度のソースプログラムサイズでコーディングするために、頻繁に使用されるであろう一部の機能が専用のライブラリとして提供されます。
GCC Developer Liteを標準的な環境のPCへインストールすると、「C:\Program Files\BestTech\GCC Developer Lite\TARGET」フォルダに必要なファイルがコピーされます。必要に応じて本フォルダを参照できますし、ユーザがソースを修正しライブラリを再構築する事も可能です。
UD4は複数のライブラリを組み合わせて使用するため、実体はかなり複雑になっています。
なお、本UD4β向けの専用ライブラリはライブラリファイルとして提供するのでは無く、全て「ud4.h」というヘッダファイルとしてサンプルプログラムに同梱しました。
よって、コンパイル時のオプションに影響されてその都度挙動が変わる可能性があります。
未完成ですがこちらにAPIの詳細を記載しています。
以下よりダウンロードし展開して利用してください。詳細はコメントを参考に読み解いてください。
なお、ARMGCCそのものがSJISに対応していないため、コメント等に日本語を使用するとコンパイルエラーが発生する場合があります。サンプルプログラムは日本語のコメントを使用していますが、全てUTF8のエンコードにしているためそれに起因するエラーが発生しません。
GCC Developer Liteにて自身で新規で作成したプログラムは必ずSJISで生成されるため、編集中にGCC Developer Liteのステータスバーに表示される「SJIS(CR+LR)」をマウスで右クリックし、ポップアップメニューのリストから「UFT8」を選んでからソースプログラムを保存して下さい。「UFT8」になってさえいれば全角日本語のコメントによるコンパイルエラーは発生しません。
いきなりフルパワーで暴走すると危険ですので、いくつかのサンプルでは以下のマクロで最終段の出力を抑えています。
#define POWERGAIN (30) // 出力を調整するためのゲイン 0~100%で指定 #define MOTOR_INC (10) // モータへのデューティ指令の増分 1~1000‰で指定
パワーが上がらなのはバッテリやモータの問題ではありませんので、必要に応じてPOWERGAINの値を1~100の範囲で変更し、再度コンパイルし直してください。
また、モータの応答が遅いのは1msあたりの増分をMOTOR_INCの値で制限しているためですので、1~1000の範囲で調整してください。
相撲ロボット向けサンプルプログラムが想定している周辺機器の接続イメージは以下の通りです。
各コネクタの詳細を以下に示します。
個々の詳細に関してはサンプルプログラム内のコメントを参照していただくとして、プログラムをコンパイルしてUD4に転送して実行させるまでの基本的なフローは以下となります。
下記に記載された事項以外にも、経験を踏まえた危険回避方策を講じる事。 安全に配慮しない場合は人命や財産を失う恐れがある。 また従わない場合は保証対象外となる。 |