本製品はDynamixelを扱うにあたり基本的な事項を把握する事を目的としたキットです。別途PCと電源を用意するだけで、Dynamixelを運転する最低限の装置が一通り揃います。
PCをホストとしたプログラムによってDynamixelへの理解が進めば、DXMIOにの組み込みプログラミングにチャレンジしたり、Dynamixelを追加して自身のアプリケーションに組み込むといった事が可能です。
型式等 | 数量 | 備考 |
DXMIO with IMU | 1 | BTE098B |
I/Oボード | 1 | E186 |
スペーサー | 4 | |
ジャンパ | 8 | I/Oボード用 |
Dynamixel | 3 | XL330-M288-T |
フレーム | 3 | FPX330-H101 |
USBケーブル | 1 | type A <-> type C |
ACアダプタ | 1 | 6V/2.8A |
PCとDynamixelの間を取り持つのがI/Oボードです。後述する使用方法の中にI/Oボードの設定に関する事項がありますので、まずその詳細を記載します。
PCBリビジョン | E186 (4層) | |
通信機能 | USBシリアルI/F Dynamixel用TTL(半二重)及びRS-485(半二重) I/F | |
動作温度 | 0~50℃ | |
寸法 | 約40.0×40.0×14.6mm | |
重量 | 約10g | |
電源 | 5V | USBバスパワー VDDが印加されている場合はDXMIO上のLDOから供給 |
VDD | DC5~24V Dynamixelの電源仕様に合わせてCN2ないしCN3より供給 | |
各I/F仕様 | USB | USB 2.0 FS ESD保護 MM=±400V, HBM=±8kV |
RS-485 | 複信 半二重 最大通信速度 3Mbps 最大ノード数 224台 絶対最大定格 -60~60V ESD保護 MM=±8kV, HBM=±40kV | |
TTL | 複信 半二重 最大通信速度 3Mbps 絶対最大定格 -0.5~6.5V ESD保護 MM=±200V, HBM±2kV | |
コネクタ等 | USB4105 x1, B-2P-VH x1(未実装), PJ-047AH x1, B3B-EH x4, B4B-EH ×4(未実装), 2ピン1.27mmピッチジャンパ x5, 3ピン1.27mmピッチジャンパ x2 | |
環境配慮 | RoHS準拠, 鉛フリー半田 |
端子番号 | 信号名 | I/O |
1 | GPIO2(PIO0_14/ADC2) | I/O |
2 | GPIO3(PIO0_23/ADC3) | I/O |
3 | GPIO4(PIO0_22/ADC4) | I/O |
4 | GPIO5(PIO0_21/ADC5) | I/O |
5 | GPIO6(PIO0_20/ADC6) | I/O |
6 | GPIO7(PIO0_19/ADC7) | I/O |
7 | GPIO8(PIO0_18/ADC8) | I/O |
8 | GPIO9(PIO0_17/ADC9/DAC0) | I/O |
9 | GPIO10(PIO0_13/ADC10) | I/O |
10 | GPIO11(PIO0_4/ADC11) | I/O |
11 | 5V | O |
12 | GND | O |
Pats Name | JST Parts Number |
基板用ヘッダー | B4B-EH, B4B-EH-A |
ハウジング | EHR-4 |
ターミナル | SEH-00x |
端子番号 | 信号名 |
1 | GND |
2 | VDD |
3 | RS-485 D+ |
4 | RS-485 D- |
Pats Name | JST Parts Number |
基板用ヘッダー | B3B-EH, B3B-EH-A |
ハウジング | EHR-3 |
ターミナル | SEH-00x |
端子番号 | 信号名 |
1 | GND |
2 | VDD |
3 | TTL Signal |
Settings | Description |
open | CBUS0端子を開放しI/OボードのRS-485/TTL I/Fを受信に固定 |
closed | CBUS0端子とI/OボードのRS-485/TTL I/Fを接続 |
Settings | Description |
1-2 closed | RXD端子とDXMIOのGPIO0端子を接続 |
2-3 closed | RXD端子とI/OボードのRS-485/TTL I/Fを接続 |
Settings | Description |
1-2 closed | TXD端子とDXMIOのGPIO1端子を接続 |
2-3 closed | TXD端子DとI/OボードのRS-485/TTL I/Fを接続 |
Settings | Description |
open | 解放 |
closed | カップリングコンデンサを介してオーディオアンプの入力端子と短絡 |
Settings | Description |
open | 解放 |
closed | 短絡 |
Settings | Description |
open | 解放 |
closed | 短絡 |
Settings | Description |
open | 解放 |
closed | 短絡 |
単体販売されているDXMIOとはコネクタやブートローダの状態が異なります。また運用方法によりI/Oボード上のジャンパを適切に設定する必要があります。
以下に2つの運用パターンを紹介します。
USBシリアル変換ICをDXMIOのプログラム書き込みやそのデバッグに使用し、DXMIOに書き込まれるプログラムによってCN5~CN8・CN9~CN12に接続されたDynamixelを制御します。
JP1~JP3の設定にてI/Oボード上のUSBシリアル変換チップをDXMIOのGPIOに接続し、I/Oボード上のRS-485/TTL I/Fとの通信ラインを切り離します。JP5~JP7の設定にてCN5~CN8・CN9~CN12とDXMIO上のRS-485/TTL I/Fを接続します。
ジャンパ | Settings |
J1 | open |
J2 | 1-2 closed |
J3 | 1-2 closed |
J4 | open or closed |
J5 | closed |
J6 | closed |
J7 | closed |
単体販売されているDXMIOとは次の点が異なります。
単体販売のDXMIOはUSARTライブラリを用いてプログラムの進捗や動作状況を確認する際にRS-485/TTL I/Fを使用する事になっています。しかしそのRS-485/TTL I/FをDynamixelとの通信に用いてしまうと、同じポートを介してUSARTを使ったデバッグができません。本処置はこれらを解消する事が目的です。
またDXMIOのページで紹介してる最新のサンプルプログラムは、本I/Oボードを用いて実行する事を想定した修正がなされています。ソースコード中のUSART_TYPEのマクロ定義を4~6に書き換えた上でe097b_usart.hをインクルードし、コンパイルし直す事で対応が完了します。
#include <chip.h> #include "e097b_def.h" // USART_TYPEマクロで使用するUSARTと機能を選択 // CN3/CN4 1:ポーリング, 2:割り込み, 3:DMA // CN1-6,CN1-7 4:ポーリング, 5:割り込み, 6:DMA #ifndef USART_TYPE #define USART_TYPE 4 #endif #include "e097b_usart.h"
USART_TYPEの値を1~3に設定してコンパイルしたサンプルプログラムを書き込んだ場合は、I/OボードのCN1を介した通信が行われませんが、電気的に故障する事はありません。
なお同梱されるbinファイルはソースコードに宣言されているUSART_TYPEマクロに従ってコンパイルされており、本I/Oボードでは大半が有用に活用できません。
本I/OボードのUSBシリアル変換ICを使って通信するbinファイルを生成する場合は、まずobjとbinフォルダを削除します。次にsrcフォルダに同梱されている「makebin_E186.cmd」を実行します。これにより強制的にUSART_TYPEを6に宣言した場合のbinファイルがbinフォルダに生成されます。
USBシリアル変換ICをI/Oボード上のTTL及びRS-485 I/Fに接続し、PC上で動作するプログラムによってCN5~CN8・CN9~CN12に接続されたDynamixelを制御します。DXMIOは必要に応じて使用します。
JP1~JP3の設定にてI/Oボード上のUSBシリアル変換チップをI/Oボード上のRS-485/TTL I/Fに接続し、DXMIOのGPIO0/1をI/Oボードから切り離します。
ジャンパ | Settings |
J1 | closed |
J2 | 2-3 closed |
J3 | 2-3 closed |
DXMIOを使用しない場合は、I/Oボードから取り外す事でJP4~JP7の状態は問いません。
しかしPCと通信させる目的でDXMIOにDynamixelクライアントファームウェアを書き込んでいる場合は、次のいずれかのジャンパを設定した上でDXMIOをI/Oボードに装着します。
ジャンパ | Settings |
J4 | closed or open |
J5 | closed |
J6 | closed |
J7 | open |
ジャンパ | Settings |
J4 | closed or open |
J5 | open |
J6 | open |
J7 | closed |
DYNAMIXEL basic tutorialを参照します。