13: 2009-11-12 (木) 04:00:42 takaboo | 現: 2014-06-29 (日) 12:09:41 takaboo | ||
---|---|---|---|
Line 1: | Line 1: | ||
- | TITLE:BTE083 FDIII-HC | + | TITLE:FDIII-HCマニュアル |
#norelated | #norelated | ||
#contents | #contents | ||
+ | [[ショップページへ>http://www.besttechnology.co.jp/modules/onlineshop/index.php?fct=photo&p=72]] | ||
**概要 [#tb847e68] | **概要 [#tb847e68] | ||
本製品はSAM7S I/Oボードの後継としてデザインされ、従来オプションとなっていた無線やマンマシンI/FさらにmicroSDカードスロット、RS485とTTL I/Fによるラインナップの分離といった煩わしさを解消し、更に加速度センサを装備する事で移動検出といったアプリケーションに適用しやすくしたハイパフォーマンスコントローラです。 | 本製品はSAM7S I/Oボードの後継としてデザインされ、従来オプションとなっていた無線やマンマシンI/FさらにmicroSDカードスロット、RS485とTTL I/Fによるラインナップの分離といった煩わしさを解消し、更に加速度センサを装備する事で移動検出といったアプリケーションに適用しやすくしたハイパフォーマンスコントローラです。 | ||
Line 11: | Line 12: | ||
**基本仕様 [#e5a81ed1] | **基本仕様 [#e5a81ed1] | ||
|商品番号 |BTE083 | | |商品番号 |BTE083 | | ||
- | |リビジョン |E092 (4層) | | + | |リビジョン |E092&br;E092B&br;E092C (現行)&br;E092D | |
|動作温度 |0~+50℃ | | |動作温度 |0~+50℃ | | ||
- | |外部電源 |電源電圧範囲:DC7.2V~DC26V&br;絶対最大定格電圧:DC30V&br;最大スイッチング電流:30A | | + | |外部電源 |電源電圧範囲:DC7.2V~DC26V&br;絶対最大定格電圧:DC30V&br;最大スイッチング電流:60A(E092D), 50A(E092C), 30A(E092, E092B) | |
- | |搭載主要機能 |AT91SAM7S512(48MHz), 3軸加速度センサ, Bluetooth(ZEAL-C01), ブザー, プッシュスイッチ, DIPスイッチ, microSDスロット, Dynamixel RS485 I/F x4, Dynamixel TTL I/F x5, モニタLED x3, JTAGコネクタ, 電源スイッチ, 電源コネクタ, USB miniBコネクタ | | + | |搭載主要機能 |E092,E092B:AT91SAM7S512(48MHz)&br;E092C:AT91SAM7S256C(48MHz)&br;E092D:AT91SAM7S256D(48MHz)&br;3軸加速度センサ, Bluetooth(ZEAL-C01), ブザー, プッシュスイッチ, DIPスイッチ, microSDスロット, Dynamixel RS485 I/F x4, Dynamixel TTL I/F x5, モニタLED x3, JTAGコネクタ, 電源スイッチ, 電源コネクタ, USB miniBコネクタ | |
- | |寸法 |W74×D40mm (±0.5mm)| | + | |寸法 |W74×D40×H14mm (±0.5mm)| |
|環境配慮 |RoHS準拠, 鉛フリー半田 | | |環境配慮 |RoHS準拠, 鉛フリー半田 | | ||
- | |付属品 |USBケーブル&br;電源コネクタセット&br; ・ハウジング JST VHR-2N (1:+, 2:-)&br; ・コンタクト JST SVH-21T-P1.1 x2 | | + | |付属品 |USBケーブル&br;電源コネクタセット&br;・ハウジング [[JST VHR-2N>http://www.jst-mfg.com/product/pdf/jpn/VH.pdf]] x1&br;・コンタクト [[JST SVH-21T-P1.1>http://www.jst-mfg.com/product/pdf/jpn/VH.pdf]] x2 | |
**外観 [#ubb4a347] | **外観 [#ubb4a347] | ||
+ | ***Rev. E092C [#s685f8ed] | ||
+ | | TOP | BOTTOM | | ||
+ | | #ref(E092C_TOP.png,40%) | #ref(E092C_BOTTOM.png,40%) | | ||
+ | #ref(E092C_LAYOUT.pdf) | ||
+ | |||
+ | ***Rev. E092,E092B [#r5459330] | ||
| TOP | BOTTOM | | | TOP | BOTTOM | | ||
| #ref(E092_TOP.png,40%) | #ref(E092_BOTTOM.png,40%) | | | #ref(E092_TOP.png,40%) | #ref(E092_BOTTOM.png,40%) | | ||
Line 25: | Line 32: | ||
**回路図 [#wcfc29ee] | **回路図 [#wcfc29ee] | ||
+ | ***Rev. E092D [#db75e59b] | ||
+ | #ref(E092D_SCH.pdf) | ||
+ | -BluetoothモジュールとしてZEAL-C02を採用 | ||
+ | |||
+ | ***Rev. E092C [#oaed0ba6] | ||
+ | #ref(E092C.pdf) | ||
+ | -CN14は出荷時からコネクタを装備 | ||
+ | -CN16はランドのみ | ||
+ | |||
+ | ***Rev. E092,E092B [#i008fb8b] | ||
#ref(E092.pdf) | #ref(E092.pdf) | ||
- | -D1, D5はノーマウント | ||
-CN17(microSDスロット)はボード裏面に装備 | -CN17(microSDスロット)はボード裏面に装備 | ||
-CN15にはZEAL-C01が装着済 | -CN15にはZEAL-C01が装着済 | ||
-CN2, CN3はCN1と排他のため未装着 | -CN2, CN3はCN1と排他のため未装着 | ||
+ | -基板に黄色い丸シールが貼られたものは、R7を120Ωから10kΩに換装済み(R7はRS485のターミネータだが、抵抗値が低いと若干通信の不具合を生じるため) [2010/9/15] | ||
**I/Oボード各機能の詳細 [#m4f08258] | **I/Oボード各機能の詳細 [#m4f08258] | ||
***CN1 [#vfa02328] | ***CN1 [#vfa02328] | ||
+ | [[JST B2PS-VH>http://www.jst-mfg.com/product/detail.php?series=262]] | ||
+ | |||
電源供給用コネクタで、電源スイッチ回路を介してCN4~CN12と5V DCDCコンバータに供給されます。SW1にてそれらデバイスへの電源供給をON/OFFできます。~ | 電源供給用コネクタで、電源スイッチ回路を介してCN4~CN12と5V DCDCコンバータに供給されます。SW1にてそれらデバイスへの電源供給をON/OFFできます。~ | ||
- | なお、CN1に何も接続せずUSBコネクタにPCを接続した場合、CN4~CN12へは電源が供給されません。 | + | なお、CN1に何も接続せずUSBコネクタにPCを接続した場合、CN4~CN12へは電源が供給されず、搭載されたマイコンとその周辺回路のみが動作します。 |
***CN4~CN8 [#d0c3107d] | ***CN4~CN8 [#d0c3107d] | ||
+ | [[MOLEX 22-03-5035>http://www.molex.com/molex/products/datasheet.jsp?part=active/0022035035_PCB_HEADERS.xml&channel=Products&Lang=ja-JP&lang=ja-JP]] | ||
+ | |||
TTL I/Fを搭載したDynamixelシリーズ用のコネクタです。CN1から供給される電源がスイッチ回路を介して接続されます。 | TTL I/Fを搭載したDynamixelシリーズ用のコネクタです。CN1から供給される電源がスイッチ回路を介して接続されます。 | ||
***CN9~CN12 [#ld45ce7b] | ***CN9~CN12 [#ld45ce7b] | ||
+ | [[MOLEX 22-03-5045>http://www.molex.com/molex/products/datasheet.jsp?part=active/0022035045_PCB_HEADERS.xml&channel=Products&Lang=ja-jp]] | ||
+ | |||
RS485 I/Fを搭載したDynamixelシリーズ用のコネクタです。CN1から供給される電源がスイッチ回路を介して接続されます。 | RS485 I/Fを搭載したDynamixelシリーズ用のコネクタです。CN1から供給される電源がスイッチ回路を介して接続されます。 | ||
Line 47: | Line 70: | ||
***CN14 [#u3de666f] | ***CN14 [#u3de666f] | ||
- | DBGU コネクタ。 | + | [[B4B-EH>http://www.jst-mfg.com/product/detail.php?series=58]] |
+ | |||
+ | DBGUコネクタ。主にLCDの接続を目的とします。 | ||
***CN15 [#bf0897cc] | ***CN15 [#bf0897cc] | ||
- | ZEAL-C01が装着されます。 | + | ZEAL-C01が装着されます。~ |
+ | 取り外してはなりません。 | ||
***CN16 [#me2d411a] | ***CN16 [#me2d411a] | ||
- | [[BTE067B TINY JTAG-ICE2>BTE067B]]をBTE066 JTAG ICE変換ケーブルを介して接続します。~ | + | E092,E092Bに限り[[BTE067B TINY JTAG-ICE2>BTE067B]]を[[BTE066 JTAG ICE変換ケーブル>http://www.besttechnology.co.jp/modules/onlineshop/index.php?fct=photo&p=42]]を介して接続します。E092C以降からは装備されません。~ |
マイコンに予め搭載されたブートローダを使用せず、ユーザ自身により全ての制御プログラムを作成したり、ICE等によりデバッグを行う場合に使用します。 | マイコンに予め搭載されたブートローダを使用せず、ユーザ自身により全ての制御プログラムを作成したり、ICE等によりデバッグを行う場合に使用します。 | ||
***CN17 [#ge06e918] | ***CN17 [#ge06e918] | ||
裏面に配置されたmicroSDスロットです。 | 裏面に配置されたmicroSDスロットです。 | ||
+ | |||
+ | ***SW1 [#kd2ee8d5] | ||
+ | CN1からの電源供給をON/OFFします。~ | ||
+ | なお、CN13(USBコネクタ)とPCをUSBケーブルで接続した場合は、CN4~CN12への電源供給以外はSW1と連動せず、搭載されたマイコンは動作し続けます。 | ||
***PB1 [#w1c49da8] | ***PB1 [#w1c49da8] | ||
Line 64: | Line 94: | ||
***DIP1 [#w57f2b45] | ***DIP1 [#w57f2b45] | ||
- | 4ビットのDIPスイッチです。~ | + | E092,E092Bは4ビットの鍵盤型DIPスイッチ、E092C以降はロータリーDIPスイッチが装備されます。~ |
ブートローダでは使用されず、アプリケーションプログラムにて入力状態を取得できます。 | ブートローダでは使用されず、アプリケーションプログラムにて入力状態を取得できます。 | ||
***DIP2 [#f954a543] | ***DIP2 [#f954a543] | ||
- | 2ビットのDIPスイッチで、ZEAL-C01のモードを設定します。なお、本製品においてはZEAL-C01のモードをマイコンから直接制御するため、本ディップスイッチは両ビット共にOFFにしておく必要があります。 | + | E092,E092Bの一部に装着されます。E092C以降からは装備されません。2ビットのDIPスイッチで、ZEAL-C01のモードを設定します。なお、本製品においてはZEAL-C01のモードをマイコンから直接制御するため、本ディップスイッチは両ビット共にOFFにしておく必要があります。 |
***LED1 [#nf2bb473] | ***LED1 [#nf2bb473] | ||
Line 77: | Line 107: | ||
***LED3 [#xe5dc591] | ***LED3 [#xe5dc591] | ||
- | Bluetooth(ZEAL)の無線接続が完了すると緑色に点灯します。 | + | Bluetoothによる無線接続が完了すると緑色に点灯します。 |
**各機能の詳細 [#j58996d5] | **各機能の詳細 [#j58996d5] | ||
Line 95: | Line 125: | ||
***プッシュスイッチ(PB1) [#vbd825b5] | ***プッシュスイッチ(PB1) [#vbd825b5] | ||
- | ブートローダのコマンドモードを使用する場合は、PB1を押しながら電源をONないしUSBケーブルを接続します。ブートローダのコマンドモードが起動するとピロッ♪とブザーが短く鳴り、LED2が一瞬点灯し正常にコマンドモードになった事を知らせます。 | + | ブートローダのコマンドモードに確実に遷移させるには、USBケーブルが抜かれた状態かつ電源がOFFの状態で、PB1を押しながらUSBケーブルを接続ないし電源をONします。ブートローダがコマンドモードに入ると、ピロッ♪とブザーが短く鳴りLED2が一瞬点灯しますので、この時点でPB1を放します。~ |
+ | また、ユーザプログラムが実行されている間は、APIにてPB1の状態を取得する事ができるだけで、ブートローダのコマンドモードとの相関はありません。 | ||
***ブートローダ [#g271227d] | ***ブートローダ [#g271227d] | ||
+ | ****FDIII-HC ブートローダのアップデート [#k87c4f80] | ||
+ | 本ドキュメントではブートローダのバージョンが2.3であることを前提に記述しています。異なるバージョンが適用されている場合は、次の手順に従ってブートローダを最新のバージョンに更新してください。 | ||
+ | +アップデートファイルの入手~ | ||
+ | 予め現在適用されているブートローダのバージョンを確認しておきます。バージョンの確認はブートローダのコマンドモードで'?'を入力すると表示されます。 | ||
+ | --現在のブートローダがVer1.0~Ver1.9の場合~ | ||
+ | 以下のURLよりZIP形式で圧縮されたアップデートファイルをダウンロードします。なお、このファイルはV2.0以降のバージョンからV2.3にアップデートする場合は利用できません。~ | ||
+ | [[FDIII-HC_Bootloader_update_v1.9_to_v2.3.zip:http://www.besttechnology.co.jp/download/FDIII-HC_Bootloader_update_v1.9_to_v2.3.zip]]~ | ||
+ | ダウンロードしたZIPファイルを解凍し、同梱される FDIII-HC_UpdateV1.9ToV2.3.bin を任意のフォルダにコピーします。 | ||
+ | --現在のブートローダがVer2.0~Ver2.2の場合~ | ||
+ | 以下のURLよりZIP形式で圧縮されたアップデートファイルをダウンロードします。なお、このファイルはV2.0よりも前のバージョンからV2.3にアップデートする場合は利用できません。~ | ||
+ | [[FDIII-HC_Bootloader_update_v2.3.zip:http://www.besttechnology.co.jp/download/FDIII-HC_Bootloader_update_v2.3.zip]]~ | ||
+ | ダウンロードしたZIPファイルを解凍し、同梱される FDIII-HC_UpdateToV2.3.bin を任意のフォルダにコピーします。 | ||
+ | +アップデートファイルの転送~ | ||
+ | FDIII-HCをPCに装着しブートローダを起動します。SIMPLE TERMでFDIII-HCの仮想COMポートを開き、ブートローダのコマンドモードになっていることを確認します。~ | ||
+ | 'w'コマンドを入力した後'y'を入力し、ブートローダをアプリケーションプログラムの受信待機状態にします。 | ||
+ | --< FDIII Ver.2.1 by BestTechnology >-- | ||
+ | >w | ||
+ | START UPLOAD... | ||
+ | ARE YOU SURE? (Y/N) y | ||
+ | 次にSIMPLE TERMの転送メニュー→ファイル送信をクリックし、先に解凍した bin ファイルを指定して転送を開始します。 | ||
+ | <SUCCESS> | ||
+ | > | ||
+ | SUCCESSの文字が表示されたらアップデートプログラムの転送は完了です。 | ||
+ | +アップデートプログラムの実行~ | ||
+ | アップデートプログラムはユーザプログラムとして提供され、ブートローダから実行されない限り更新は行われません。アップデートプログラムの転送が完了したら'g'コマンドを入力し、アップデートプログラムを実行させます。~ | ||
+ | しばらくしてFDIII-HCからアラーム音が発せられLEDが点滅すれば、アップデートプログラムが実行されている状態となります。SIMPLE TERMのターミナルウィンドウには以下の表示がなされます。 | ||
+ | Push space key to update FDIII-HC bootloader v2.3 | ||
+ | ここでスペースキーを押すとアップデート処理が開始され、それ以外のキーを押すとアップデートがキャンセルされます。~ | ||
+ | スペースキーを押すと以下の様なメッセージが順に表示され、成功すれば新しくなったブートローダの起動メッセージが表示されます。 | ||
+ | Push space key to update FDIII-HC bootloader v2.3 | ||
+ | Start to burn ....success | ||
+ | Verifying ...........................................succcess | ||
+ | Please unplug USB cable ... | ||
+ | USBケーブルを抜き差しし、SIMPLE TERMのターミナルウィンドウに以下のメッセージが表示されたらアップデートは成功しています。 | ||
+ | --< FDIII Ver.2.3 by BestTechnology >-- | ||
+ | > | ||
+ | +Bluetoothの設定~ | ||
+ | ブートローダを更新するとBluetoothの諸設定が初期化されます。Bluetoothを使用する場合は再度必要な設定を行ってください。 | ||
+ | |||
+ | 更新内容:~ | ||
+ | V2.3 (2011/07/14) | ||
+ | -Rev.Cの基板に適用したAT91SAM7S256に伴うコードサイズの最適化 | ||
+ | -ユーザアプリの起動アドレスを元に戻す(0x106000) | ||
+ | -WDTの活性化(タイムアウトは約10秒) | ||
+ | -Bluetoothモジュールとの通信タイムアウトを追加 | ||
+ | -microSDカードからユーザプログラムを自動ロードする機能を追加 | ||
+ | -不揮発メモリ領域を拡大 | ||
+ | |||
+ | V2.2 (2011/04/13 未リリース) | ||
+ | -コードサイズ肥大に伴うユーザアプリの起動アドレスを変更(0x108000) | ||
+ | -Bluetoothモジュールとの通信機能を見直し | ||
+ | -microSDカードからユーザプログラムをロードする機能を追加 | ||
+ | -ブートローダで使用する不揮発メモリ領域を追加~ | ||
+ | |||
+ | V2.1 (2011/3/23) | ||
+ | -USBの接続条件を追加 | ||
+ | |||
+ | V2.0 (2010/12/13) | ||
+ | -ユーザアプリの起動アドレスを変更(0x106000) | ||
+ | -Bluetoothモジュールに設定できる内容を増強 (認証・検索のON/OFF) | ||
+ | -接続性の向上を目的としたUSBドライバの更新 (それに伴いユーザプログラムのブートアドレスが変更) | ||
+ | |||
+ | ****使用方法 [#rac1a119] | ||
USBないしBluetooth経由で本装置を操作するための専用プログラムが予め搭載されており、ユーザプログラムの転送やDynamixel用ハブ、Bluetoothの設定等をシリアルターミナル経由で行う事が出来ます。~ | USBないしBluetooth経由で本装置を操作するための専用プログラムが予め搭載されており、ユーザプログラムの転送やDynamixel用ハブ、Bluetoothの設定等をシリアルターミナル経由で行う事が出来ます。~ | ||
- | SIMPLE TERMで該当のポートを開き、ブートローダのコマンドモードに入ると以下のメッセージ及びプロンプトが表示されます。 | + | ユーザプログラムが書き込まれていないFDIII-HCであれば、SIMPLE TERMで該当のポートを開き、ブートローダのコマンドモードに入ると以下のメッセージ及びプロンプトが表示されます。 |
- | --< FDIII Ver1.0 by BestTechnology >-- | + | --< FDIII Ver.2.3 by BestTechnology >-- |
> | > | ||
- | この状態で使用できるコマンドは'?'を入力すると表示されます。 | + | もしこのメッセージが表示されない場合は、コマンドモードではなくユーザプログラムに実行が遷移していると思われますので、[[こちら>#vbd825b5]]のPB1を押しながらという手順でコマンドモードに入ります。 |
+ | |||
+ | コマンドモードで使用できるコマンドは'?'を入力すると表示されます。 | ||
>? | >? | ||
- | --< FDIII Ver1.0 by BestTechnology >-- | + | --< FDIII Ver.2.3 by BestTechnology >-- |
- | [w]:UPLOAD [g]:BOOT [i]:FLASH INFO [e]:ERASE [b]:BLUETOOTH | + | [w]:HOST FILE UPLOAD [g]:BOOT [i]:FLASH INFO [e]:ERASE [b]:BLUETOOTH |
+ | [p]:SD FILE LIST [m]:SD FILE UPLOAD [d]:BT TO DX BAUD | ||
> | > | ||
-w (UPLOAD)~ | -w (UPLOAD)~ | ||
Line 116: | Line 214: | ||
-b (BLUETOOTH)~ | -b (BLUETOOTH)~ | ||
Bluetoothの設定モードに遷移します。Bluetooth経由でブートローダのコンソールにアクセスしている場合は設定出来ません。USBケーブルでPCと接続された状態でのみBluetoothの設定変更が出来ます。 | Bluetoothの設定モードに遷移します。Bluetooth経由でブートローダのコンソールにアクセスしている場合は設定出来ません。USBケーブルでPCと接続された状態でのみBluetoothの設定変更が出来ます。 | ||
+ | -p (SD FILE LIST)~ | ||
+ | microSDカード内のファイルを列挙しますが、ファイルの拡張子がbinのみが表示されます。 | ||
+ | -m (SD FILE UPLOAD)~ | ||
+ | microSDカード内の指定されたファイルをユーザプログラム領域に書き込みます。 | ||
+ | -d (BT DX BAUD)~ | ||
+ | Bluetoothを介したパケットスルーモード時のボーレートを指定します。 | ||
その他にDynamixelコンフィギュレータとして動作するパケットスルーモードを持っています。SIMPLE TERMではなくDynamixel ConfiguratorやUSS3 Configurator、自作のPC上のアプリケーションでポートを開きパケット通信を開始すると自動的にパケットスルーモードへ遷移します。詳細は[[こちら>#z3cf2ad1]]。 | その他にDynamixelコンフィギュレータとして動作するパケットスルーモードを持っています。SIMPLE TERMではなくDynamixel ConfiguratorやUSS3 Configurator、自作のPC上のアプリケーションでポートを開きパケット通信を開始すると自動的にパケットスルーモードへ遷移します。詳細は[[こちら>#z3cf2ad1]]。 | ||
***Bluetooth [#d60dee0f] | ***Bluetooth [#d60dee0f] | ||
- | Bluetoothによるコンソールやコントローラの無線化に対応しています。搭載されるBluetoothモジュールであるZEAL-C01の出荷時の設定は以下の通りです。~ | + | Bluetoothによるコンソールや無線コントローラに対応しています。出荷時の設定は以下の通りです。~ |
-サポートプロファイル:SPPのみ | -サポートプロファイル:SPPのみ | ||
- | -DTE速度:460.8kbps (FDIII-HC搭載のマイコンとZEAL間のUSARTの速度) | + | -DTE速度:460.8kbps (FDIII-HC搭載のマイコンとBluetoothモジュール間) |
-PINコード:0000 (文字列の'0000') | -PINコード:0000 (文字列の'0000') | ||
- | -認証:なし | + | -認証:あり (V1.8以降からSIXAXISモード以外時に適用) |
-暗号化:なし | -暗号化:なし | ||
-デバイス検出への応答:あり | -デバイス検出への応答:あり | ||
Line 132: | Line 236: | ||
-接続モード:自動待ち受け | -接続モード:自動待ち受け | ||
- | このうち、ユーザ自ら変更できるのは接続モードのみで、ブートローダから自動待ち受け・自動接続いずれかを選択できます。ブートローダからBluetoothの設定を行う場合は、コマンドモードのプロンプトが'>'の状態で'b'を入力します。Bluetoothの設定モードに入ると、プロンプトは'BT'に変わります。この状態で使用できるコマンドは'?'を入力すると表示されます。 | + | このうち、ユーザ自ら変更できるのは接続モード・PINコード・認証の有無・検出の可否で、ブートローダから選択及び変更ができます。ブートローダからBluetoothの設定を行う場合は、コマンドモードのプロンプトが'>'の状態で'b'を入力します。Bluetoothの設定モードに入ると、プロンプトは'BT'に変わります。この状態で使用できるコマンドは'?'を入力すると表示されます。 |
- | --< FDIII Ver1.0 by BestTechnology >-- | + | --< FDIII Ver2.3 by BestTechnology >-- |
>b | >b | ||
CONNECTING TO BLUETOOTH MODULE ....... | CONNECTING TO BLUETOOTH MODULE ....... | ||
BT>? | BT>? | ||
-- BLUETOOTH CONFIGURATION -- | -- BLUETOOTH CONFIGURATION -- | ||
- | [c]:CONNECTING MODE [w]:WAITING MODE [i]:INFO [ESC]:EXIT | + | [o]:SLEEP [w]:MASTER [c]:SLAVE [s]:SIXAXIS [a]:AUTHENTICATION [p]:PIN CODE |
+ | [h]:INQUIRY [i]:info [ESC]:exit | ||
BT> | BT> | ||
-i (INFO)~ | -i (INFO)~ | ||
- | ZEAL-C01のMACアドレスと、現在のBluetoothの接続モードを表示します。自動待ち受けの場合は'WAITING MODE'、自動接続の場合は接続先のMACアドレスが表示されます。 | + | FDIII-HCのBluetoothモジュールのMACアドレスと、現在のBluetoothの接続モードを表示します。自動待ち受けの場合は'WAITING MODE'、自動接続の場合は接続先のMACアドレスが表示されます。 |
-ESC (EXIT)~ | -ESC (EXIT)~ | ||
Bluetoothの設定モードを抜けます。 | Bluetoothの設定モードを抜けます。 | ||
- | -w (WAITING MODE)~ | + | -o (SLEEP MODE)~ |
- | 自動待ち受けに設定します。他のBluetooth機器から本装置を検索させ、接続させる場合に選択します。 | + | Bluetoothモジュールを待機状態に設定します。他のBluetooth機器からの検索や接続が出来なくなります。 |
- | -c (CONNECTING MODE)~ | + | -w (MASTER MODE)~ |
+ | 自動待ち受けに設定します。他のBluetooth機器から本装置を検索させ、接続させる場合に選択します。~ | ||
+ | -c (SLAVE MODE)~ | ||
自動接続に設定します。本装置から他のBluetooth機器を検索及び選択、もしくは直接MACアドレスを入力して自動的に接続させる場合に選択します。 | 自動接続に設定します。本装置から他のBluetooth機器を検索及び選択、もしくは直接MACアドレスを入力して自動的に接続させる場合に選択します。 | ||
BT>c | BT>c | ||
Line 158: | Line 265: | ||
OTHER: exit | OTHER: exit | ||
NO = | NO = | ||
- | もちろん接続先がSPPに対応している必要があります。なお、接続先がPINコードを要求する場合は'0000'とします。 | + | 接続先がSPPに対応している必要があります。なお、接続先がPINコードを要求する場合はPINコードを合わせておく必要があります。~ |
+ | また、[[FREEDOM Jr.III Wireless Controller>BTH052]]からFDIII-HCへ接続させる場合は本モードを使用し、PINコードは'0000'に設定してください。 | ||
+ | -s (SIXAXIS MODE)~ | ||
+ | PlayStation®3用のワイヤレスコントローラであるSIXAXISないし[[DUALSHOCK®3>http://www.jp.playstation.com/ps3/peripheral/cechzc2j.html]]からの接続を待ち受けます。FDIII-HCのBluetoothモジュールが最新版のファームウェアを搭載している場合に限り使用できます。~ | ||
+ | 使用するSIXAXIS側に予めFDIII-HCに搭載されたBluetoothモジュールのデバイスアドレスを設定しておく必要があります。SIXAXISの設定変更に関しては[[こちら>SIXAXIS]]を参照ください。 | ||
+ | -p (PINコード設定)~ | ||
+ | PINコードを設定します。現在設定されているPINコードが表示されるので、最大16文字までの0から9の任意の数字を入力します。未設定は許容しません。 | ||
+ | -a (認証の有無)~ | ||
+ | PINコードを使用して認証を行うか否かを設定します。'a'を押す度にON/OFFがトグルします。 | ||
+ | -h (検索の可否)~ | ||
+ | 他のBluetooth機器から本装置の検索を許可ないし禁止します。'h'を押す度にON/OFFがトグルします。 | ||
**開発環境 [#ae46f693] | **開発環境 [#ae46f693] | ||
***GCC Developer Lite [#m2c7408b] | ***GCC Developer Lite [#m2c7408b] | ||
GCC Developer Liteの詳細については[[こちら>GCC Developer Lite]]。~ | GCC Developer Liteの詳細については[[こちら>GCC Developer Lite]]。~ | ||
- | フルインストールないしAT91SAM7Sで使用を選択する事で必要なコンポーネントが自動的にインストールされます。~ | + | フルインストールないしFreedom IIIで使用を選択する事で必要なコンポーネントが自動的にインストールされます。~ |
主要なコンポーネントを簡単に紹介します。 | 主要なコンポーネントを簡単に紹介します。 | ||
-''[[GCC Developer Lite>GCC Developer Lite#GCCDevL]]'' | -''[[GCC Developer Lite>GCC Developer Lite#GCCDevL]]'' | ||
Line 171: | Line 288: | ||
USB等で提供されるCOMポートの動的な検出と、COMポートを使用する弊社ツールとの排他制御機能を持つ。 | USB等で提供されるCOMポートの動的な検出と、COMポートを使用する弊社ツールとの排他制御機能を持つ。 | ||
-''[[SIMPLE TERM>GCC Developer Lite#STERM]]'' | -''[[SIMPLE TERM>GCC Developer Lite#STERM]]'' | ||
- | ~汎用シリアルターミナル。簡易的なTLENETクライアントとしても機能する。~ | + | ~汎用シリアルターミナル。簡易的なTELNETクライアントとしても機能する。~ |
USB等で提供されるCOMポートの動的な検出と、COMポートを使用する弊社ツールとの排他制御機能を持つ。 | USB等で提供されるCOMポートの動的な検出と、COMポートを使用する弊社ツールとの排他制御機能を持つ。 | ||
-''ARMGCC'' | -''ARMGCC'' | ||
Line 183: | Line 300: | ||
****ターゲットファイル [#l9fe78a0] | ****ターゲットファイル [#l9fe78a0] | ||
- | [[GCC Developer Lite>GCC Developer Lite]]ではFDIII-HC用の設定を2種類備えています。~ | + | [[GCC Developer Lite>GCC Developer Lite]]ではFDIII-HC用の設定を備えています。~ |
#ref(GDL_CompileOption_TargetList.png) | #ref(GDL_CompileOption_TargetList.png) | ||
以下にFDIII-HCに対応した設定リストの一覧とその設定における機能を紹介します。 | 以下にFDIII-HCに対応した設定リストの一覧とその設定における機能を紹介します。 | ||
- | -''DYNAMIXEL library for FDIII-HC'' | ||
- | ~Dynamixelとの通信を行う一番低位なAPI・サウンドAPI・microSD用fatファイルシステム(efsl)といった機能がライブラリとして提供される。~ | ||
- | ~ビルドするとブートローダにてマイコンのフラッシュROMへ転送するための.bin(バイナリ)ファイルが作られる。~ | ||
- | ビルドが成功すると、STERM.exe(SIMPLE TERM)の起動を促される。~ | ||
-''FREEDOM III library for FDIII-HC'' | -''FREEDOM III library for FDIII-HC'' | ||
~FREEDOMとして複数のアクチュエータを取りまとめるモーションAPI・非同期にDynamixelとの通信を行うインストラクションAPI・簡易タスク管理API・モーションデータ管理API等がライブラリとして提供される。~ | ~FREEDOMとして複数のアクチュエータを取りまとめるモーションAPI・非同期にDynamixelとの通信を行うインストラクションAPI・簡易タスク管理API・モーションデータ管理API等がライブラリとして提供される。~ | ||
Line 198: | Line 311: | ||
ブートローダはJTAGやその他の特殊なI/Fを使用せずとも、USBないしBluetoothを使用してマイコンのプログラム書き換えや操作を行う事が出来ます。~ | ブートローダはJTAGやその他の特殊なI/Fを使用せずとも、USBないしBluetoothを使用してマイコンのプログラム書き換えや操作を行う事が出来ます。~ | ||
ブートローダを使用して動作するプログラムが構成できる設定リストは以下の通りで、これ以外の設定リストで構成されたプログラムをブートローダで転送しても動作しません。 | ブートローダを使用して動作するプログラムが構成できる設定リストは以下の通りで、これ以外の設定リストで構成されたプログラムをブートローダで転送しても動作しません。 | ||
- | -DYNAMIXEL library for FDIII-HC | ||
-FREEDOM III library for FDIII-HC | -FREEDOM III library for FDIII-HC | ||
Line 235: | Line 347: | ||
FDIII-HCは複数のライブラリを組み合わせて使用するため、実体はかなり複雑になっています。 | FDIII-HCは複数のライブラリを組み合わせて使用するため、実体はかなり複雑になっています。 | ||
-''SAM7S用ライブラリ''~ | -''SAM7S用ライブラリ''~ | ||
- | AT91SAM7Sシリーズ共通の内蔵ペリフェラルを簡便に扱う為のライブラリ。シリアル通信に関する物が主体。 | + | AT91SAM7Sシリーズ共通の内蔵ペリフェラルを簡便に扱う為のライブラリ。~ |
- | -''DYNAMIXEL用ライブラリ''~ | + | FREEDOM III Libraryから静的に呼ばれ、本ライブラリ単体で使用するものではない。 |
- | SAM7S I/O時代から引き継がれているDynamixelとの通信を行うライブラリ。簡単な引数だけでDynamixelの通信プロトコルを自動生成したり、ブザーによるメロディ演奏機能を提供。 | + | -''AT91SAM7Sシリーズ用 TOPPERS/ASP''~ |
- | -''FREEDOM IIIライブラリ''~ | + | μITRON4.0仕様準拠であるリアルタイムカーネル[[Toppers>http://www.toppers.jp/]] ASPのAT91SAM7Sシリーズ向けベステクカスタム版。OSを搭載してもある程度のリアルタイム性を確保出来る事から採用。~ |
- | Dynamixelを複数使用したアプリケーションを扱うライブラリ。Dynamixelのプロトコルだけでは解決しないモーションの管理・自動実行、各Dynamixelのステータスの読み込み、RC-100のボタンの取り込み等といった機能を提供。 | + | FREEDOM III Libraryから静的に呼ばれ、本ライブラリ単体で使用するものではない。 |
+ | -''FREEDOM III library for FDIII-HC''~ | ||
+ | Dynamixelを複数使用したアプリケーションを扱うライブラリ。Dynamixelのプロトコルだけでは解決しないモーションの管理・自動実行、各Dynamixelのステータスの読み込み、DUALSHOCK3やRC-100といったワイヤレスコントローラの情報取得等といった機能を提供。~ | ||
+ | 使用できるAPIは膨大なため、別途[[こちら>FREEDOM III library]]のページにて詳細を公開。 | ||
**サンプルプログラム [#m24a02e6] | **サンプルプログラム [#m24a02e6] | ||
- | ***Dynamixelライブラリを使用したサンプル [#af8fedcd] | + | [[GCC Developer Lite]] Ver.2.4.0.13以降から[[ライブラリ>FREEDOM III library]]の構成が大幅に見直されました。それに伴い旧来DXLIBと称していたライブラリは廃止されましたので、今後それらに依存したサンプルプログラムは[[FREEDOM III Library>FREEDOM III library]]を使用したものに変更されます。~ |
- | 純粋にDynamixelとパケット通信を行う事ができれば後は自前で何とか出来るという場合はDynamixelライブラリを使用する事を推奨します。 | + | なお、実行するにあたり必要な情報はソース中のコメントを参照してください。 |
- | [[こちら>Dynamixel Library Sample Code]]にて公開中。 | + | -FDIII-HC用サンプルプログラム Ver2.0 (2011/7/22)~ |
- | ***FREEDOM IIIライブラリを使用したサンプル [#j998040f] | + | #ref(http://www.besttechnology.co.jp/download/FDIII-HCSMPL2.0.zip) |
- | あまりパケット通信を意識せず複数軸を同期させて動かしたいといった場合は、FREEDOM IIIライブラリを使用する事を推奨します。なお、FREEDOM IIIライブラリは内部的にDynamixelライブラリを使用しているため、ユーザプログラムはFREEDOM IIIライブラリのみで構成しなくてはなりません。 | + | |
- | [[こちら>FREEDOM III Library Sample Code]]にて公開中。 | + | FDIII-HCを使用したアセンブリ製品用のサンプルプログラムは各製品のページにて公開しています。 |
**その他 [#md0d0106] | **その他 [#md0d0106] | ||
***パケットスルーモード [#z3cf2ad1] | ***パケットスルーモード [#z3cf2ad1] | ||
- | PCから直接DynamixelやUSS3へインストラクションパケットを送信して制御する場合は、[[Dynamixelコンフィギュレータ>BTE068]]ないし[[USS3コンフィギュレータ>BTE082]]を使用する事を推奨しています。これらのコンフィギュレータはPCのUSBポートを介してRS485ないしTTLのDynamixel用のシリアルI/Fへ変換する製品ですが、FDIII-HCも同様の目的で使用する事が可能です。~ | + | PCから直接DynamixelやUSS3へインストラクションパケットを送信して制御する場合は、[[Dynamixelコンフィギュレータ>BTE068#e84cbf19]]ないし[[USS3コンフィギュレータ>BTE082#ya455a85]]を使用する事を推奨しています。これらのコンフィギュレータはPCのUSBポートを介してRS485ないしTTLのDynamixel用のシリアルI/Fへ変換する製品ですが、FDIII-HCも同様の目的で使用する事が可能です。~ |
本モードは、ブートローダがコマンドモードで起動している際にPCからインストラクションパケットを受信すると自動的に遷移するものです。本モードに遷移した後にブートローダのコマンドモードに戻るには、FDIII-HCを電源リセットするか、USB接続している場合はポートを閉じるか、PB1を押す必要があります。 | 本モードは、ブートローダがコマンドモードで起動している際にPCからインストラクションパケットを受信すると自動的に遷移するものです。本モードに遷移した後にブートローダのコマンドモードに戻るには、FDIII-HCを電源リセットするか、USB接続している場合はポートを閉じるか、PB1を押す必要があります。 | ||
Line 261: | Line 375: | ||
PCとFDIII-HCをUSBケーブルで接続した場合は、従来のコンフィギュレータと使い方が全く同様となります。対象のパラメータの変更等はコンフィギュレータソフトウェアを介して該当のCOMポートをオープンすればあたかもコンフィギュレータとして振る舞います。ボーレートに関してもPCから設定したCOMポートのボーレートに合わせてI/Fのボーレートが追従します(Dynamixelのサポートするボーレートのみ)。 | PCとFDIII-HCをUSBケーブルで接続した場合は、従来のコンフィギュレータと使い方が全く同様となります。対象のパラメータの変更等はコンフィギュレータソフトウェアを介して該当のCOMポートをオープンすればあたかもコンフィギュレータとして振る舞います。ボーレートに関してもPCから設定したCOMポートのボーレートに合わせてI/Fのボーレートが追従します(Dynamixelのサポートするボーレートのみ)。 | ||
+Bluetooth接続~ | +Bluetooth接続~ | ||
- | PCとFDIII-HCをBluetoothで接続した場合は、PCとDynamixel間を完全に無線化しつつ、従来PCからUSBを介して制御していたプログラムをほぼ改造することなく置き換える事が可能です。Bluetooth経由で接続した場合の制限は、COMポートのボーレートを任意に設定してもI/F側のボーレートは常時1Mbpsに固定される点です。~ | + | PCとFDIII-HCをBluetoothで接続した場合は、PCとDynamixel間を完全に無線化しつつ、従来PCからUSBを介して制御していたプログラムをほぼ改造することなく置き換える事が可能です。Bluetooth経由で接続した場合の制限は、COMポートのボーレートを任意に設定してもI/F側のボーレートはブートローダの'd'コマンドで設定された値に固定される点です。~ |
- | また、FDIII-HC上のZEALとマイコンは最大で460.8kbpsの速度でしか通信を行わないため、物理的に1Mbpsのスループットは得られません。そのため、ある程度の遅延やパケットのドロップが生じる可能性があります。~ | + | なお、USB接続に比べて伝達の遅延やパケットのドロップが生じる可能性があります。 |
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- | |CENTER:BGCOLOR(red):||c | + | |
- | | :idea:|本機能はブートローダに予め備わっている機能ですので、ユーザプログラムが実行されている状態では機能しません。必ずブートローダがコマンドモードで起動する状態で使用する事としています。| | + |