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FDIII-HC Starter Kit Guide​/Chapter10.4 のバックアップソース(No.14) :: Besttechnology

knowledge:FDIII-HC Starter Kit Guide/Chapter10.4 のバックアップソース(No.14)

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*逆運動で動かす [#o66404ae]

**幾何学的に角度を求める [#zdb959c7]
逆運動(IK)とは指示された座標を元に関節の角度を求めるものです。~
色々な計算手法がありますが、本章では余弦定理をメインに角度を計算してみたいと思います。~
以下のようにX、Y、Z軸の方向を決め、ハンド部分は角度計算に不要なので取り外して下さい。~
#ref(RobotHand3D.png)
指定座標をposと称し、各アクチュエータと軸間の長さを次のように呼称することにします。
#ref(id_rename.png)

**2次元での角度算出 [#d90f6f7a]
では三角形を見てみましょう。~
三角形を作るのはD2、D3、posとなっています。~
#ref(triangle2D.png)
D2→D3、D3→posはそれぞれ軸の長さから求められるので、D2→posの長さが分かればこの三角形の各角度が算出可能となります。~
D2→posの長さは三平方の定理から求められます。~
#ref(inclined_D2pos.png)
三辺の長さが決まったので余弦定理を使ってD3の角度を算出してみましょう。~
#ref(cosineD3.png)
コサインの値が取得できたらアークコサインで角度にすることができます。~
ここでの角度はラジアンなので180を掛けてπ(円周率)で割れば度(デグリー)に変換することもできます。~

**3次元での角度計算 [#x04dbfff]
3次元においても角度の求め方は変わりませんので、D3の角度はそのまま使用します。~
#ref(cosineD2.png)
同様にD2の角度を求めますが、ここで求まるのはD2、D3、posを頂点とした三角形の内角です。D2への指令角度とは異なりますので、注意が必要です。
#ref(triangle3D.png)
指令値を出すため、もう一つ三角形を作ります。D2からZ軸に沿ってposの位置まで移動した点をjとし、D2、j、posを頂点とした直角三角形を作成します。D2の指令角度はこの三角形のD2の角度から先ほど求めたD2の角度を差し引きした角度になります。~

最後にD1の角度をアークタンジェントで求めれば角度計算は終了です。

**プログラミング [#bdefef6a]
ではプログラムしてみましょう。
#html{{
<pre class="brush:c;toolbar:false">
#include &lt;math.h&gt;
#include &lt;fd.h&gt;
double pos[3] = { 80.0, 0, 50.0 };  // 座標(x, y, z)
const int L[4] = { 42, 27, 68, 40 };  // 軸間の長さ

// RadianからDegreeへ変換
double Degree (double rad) {
  return (rad / (atan(1) * 4)) * 180.0;
}
// RadianからDynamixelの位置へ変換
uint16_t Position (double rad) {
  return 512 + Degree(rad) * 3.41;
}

void main (void) {
  double D2D3, D3POS, D2POS, D2j, jPOS, tmpcos1, tmpcos2, cosD3, radD1, radD2, radD3;
  fd_SetBeepCondition (FD_BEEP_MMI | FD_BEEP_PACKETERR | FD_BEEP_LOWVOLTAGE | FD_BEEP_BOOTUP);
  DX_ChangeBaudrate (1000000);
  fd_Wait (2000);
  // 必要な辺の長さを求めます
  D2D3  = L[2];
  D3POS = L[3];
  D2POS = sqrt (pos[0] * pos[0] + pos[1] * pos[1] + (pos[2] - (L[0]+L[1])) * (pos[2] - (L[0]+L[1])));
  D2j = pos[2] - (L[0] + L[1]);
  jPOS = sqrt (pos[0] * pos[0] + pos[1] * pos[1]);
  // コサイン値を求めます
  tmpcos1 = (D2D3 * D2D3 + D2POS * D2POS - D3POS * D3POS) / (2 * D2D3 * D2POS);
  tmpcos2 = (D2j * D2j + D2POS * D2POS - jPOS * jPOS) / (2 * D2j * D2POS);
  cosD3 = (D2D3 * D2D3 + D3POS * D3POS - D2POS * D2POS) / (2 * D2D3 * D3POS);
  // 角度を出します
  radD1 = atan2 (pos[1], pos[0]);
  radD2 = acos(tmpcos2) - acos(tmpcos1);
  radD3 = acos(-1) - acos (cosD3);
  // AX-12+の出力軸の位置指定
  fd_DXSetPosition (1, Position(radD1));
  fd_DXSetPosition (2, Position(radD2));
  fd_DXSetPosition (3, Position(radD3));
}
</pre>
}}

座標から角度を出すことができるようになったので、これをモーションへ組み込んでみましょう。

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