1: 2010-10-12 (火) 16:00:42 eid7gud[6] [7] | 2: 2010-10-12 (火) 18:51:01 eid7gud[6] [8] | ||
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TITLE:FDIII-HCで反射型フォトインタラプタを使う方法 | TITLE:FDIII-HCで反射型フォトインタラプタを使う方法 | ||
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+ | | :idea:|本ページの注意事項は各製品のナレッジベースやマニュアルに準拠します。&br;各製品のナレッジベースやマニュアルをお読み頂き、ご理解頂いた上で本ページを参考にしてください。| | ||
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**概要 [#f76b5f5c] | **概要 [#f76b5f5c] | ||
- | 反射型フォトインタラプタは、赤外線を反射しやすい対象物を検出するセンサで、黒地上の白線検出、ペーパエッジの検出などに利用されます。~ | + | 反射型フォトインタラプタは、赤外線を反射しやすい対象物を検出するセンサで、黒地上の白線検出、ペーパエッジの検出などに利用されます。 |
- | 反射型フォトインタラプタの出力は、白色検出時にLow(0V)、その他はHigh(入力電圧)という単純なものです。 | + | |
+ | 反射型フォトインタラプタの出力は、白色検出時にLow(0V)、その他はHigh(入力電圧)という単純なものです。~ | ||
それに対しFDIII-HCは、Dynamixelプロトコルに則ったシリアル通信を行うことでDynamxielと通信を行っています。故に反射型フォトインタラプタをFDIII-HCに直接接続して運用することはできません。 | それに対しFDIII-HCは、Dynamixelプロトコルに則ったシリアル通信を行うことでDynamxielと通信を行っています。故に反射型フォトインタラプタをFDIII-HCに直接接続して運用することはできません。 | ||
- | そこで必要になるのがDynamixelConverterです。DynamixelConverterは、センサからのアナログ入力・デジタル入力を取り込み、FDIII-HCへDynamixelプロトコルに則ってその情報を渡す中継役です。 | + | そこで必要になるのがDynamixelConverterです。DynamixelConverterは、センサからのアナログ・デジタル信号を取り込み、FDIII-HCへDynamixelプロトコルに則ってその情報を渡す、云わば中継役です。 |
+ | |||
+ | ここではDynamixelConverterを使って、反射型フォトインタラプタの信号をFDIII-HCへ取り込む方法を紹介します。 | ||
**用意するもの [#ia904fd4] | **用意するもの [#ia904fd4] | ||
+ | -[[FDIII-HC]] | ||
+ | -[[DynamixelConverter]] | ||
+ | -[[反射型フォトインタラプタ]] | ||
+ | -ケーブル | ||
+ | -ハンダごて、ハンダ | ||
+ | |||
+ | ケーブルには必要に応じてノイズの混入を防ぐためのシールド等の措置を講じてください。また、ケーブルが長過ぎると信号の劣化に繋がります。 | ||
+ | |||
+ | FDIII-HCの変わりに[[Dynamixelコンフィギュレータ]]を使用してパソコンと通信することも可能です。 | ||
+ | |||
+ | **接続 [#zc590dd4] | ||
+ | |||
+ | DynamixelConverterと反射型フォトインタラプタを接続します。 | ||
+ | |||
+ | 下図の様に、ケーブルをそれぞれの端子にハンダ付けします。~ | ||
+ | |||
+ | #ref(figure1.png) | ||
+ | |||
+ | 反射型フォトインタラプタのVCCにDynamxielConverterのCN2のPin1:VOUT(5V)を接続し、電源を供給します。これにより反射型フォトインタラプタのOUTから出力されるHigh時の電圧は5Vとなります。 | ||
+ | |||
+ | 反射型フォトインタラプタのGNDとDynamxielConverterのCN2のPin10:GNDを接続します。 | ||
+ | |||
+ | 反射型フォトインタラプタのOUTとDynamxielConverterのCN2のPin2:P1を接続します。勿論P2~P8でも構いません。 | ||
+ | |||
+ | #ref(figure2.png) | ||
+ | |||
+ | DynamxielConverterのCN2には、VCCやGND端子が1つしかありません。複数の反射型フォトインタラプタを接続する場合、1つの端子に何本ものケーブルをハンダ付けするのは危険です。~ | ||
+ | 変換基板やコネクタ等を用意し、接続数分の端子を用意するなど工夫をしましょう。 | ||
+ | また、いつでも付け替えられるようにしておくとより便利です。 | ||
+ | |||
+ | #ref(figure3.png) | ||
+ | |||
+ | DynamixelケーブルでFDIII-HCとDynamixelConverterを接続します。 | ||
+ | |||
+ | **Modeを変更する [#ycd5aec4] | ||
+ | |||
+ | Modeの設定は、運用時のプログラム内では設定しないことをお勧めします。 | ||
+ | Modeを含む電源を切っても保存されるEEPROMエリア(アドレス0~24)の書き換え回数には制限があるためです。 | ||
+ | |||
+ | 制限といっても何十万回という数ですので、普通に使用していれば制限を越えることはありません。 | ||
+ | しかし誤ってプログラムのループの中で高速に書き換えを行ってしまった場合、あっと言う間に制限を越えてしまう危険性があるためです。 | ||
+ | |||
+ | DynamixelConverterの設定の変更にはDxpacket Configuratorを使用します。 | ||
+ | 基本的な使い方はDynamixel Configuratorと同じですのでそちらを参考にしてください。 | ||
+ | |||
+ | **プログラミング [#k2387ac0] | ||
+ | |||
+ | ここではFDIII-HCのプログラムを作成するための準備や書き込み方法は省略します。 | ||
+ | |||
+ | DynamixelConverterのP1に接続した反射型フォトインタラプタの状態を取得し、それを表示するプログラムは以下のようになります。 | ||
+ | |||
+ | #include <fd.h> | ||
+ | #define KEY_QUIT { if(fd_rx_buff()) fd_SoftReset();} | ||
+ | |||
+ | void main (void) { | ||
+ | uint8_t ReadData; // アドレス42の値 | ||
+ | bool P1; // アドレス42のビット0の値 | ||
+ | |||
+ | fd_Init (0, BT_CONSOLE, FD_BEEP_MMI | FD_BEEP_PACKETERR | FD_BEEP_LOWVOLTAGE | FD_BEEP_BOOTUP, 7.4); | ||
+ | |||
+ | while (1) { | ||
+ | fd_DXReadByteData (1, 42, &ReadData); | ||
+ | P1 = (ReadData & (1 << 0) ) >> 0; | ||
+ | fd_printf ("%d : %d\r", ReadData, P1); | ||
+ | KEY_QUIT; | ||
+ | } | ||
+ | } | ||
+ | |||
+ | ---- | ||
+ | |||
+ | fd_DXReadByteData (1, 42, &ReadData); | ||
+ | DynamixelConverter(ID=1)のDigital In(アドレス42)のデータをReadDataに代入しています。IDを変更した場合は適宜書き換えてください。 | ||
+ | |||
+ | ---- | ||
+ | |||
+ | P1 = (ReadData & (1 << 0) ) >> 0; | ||
+ | Digital In(アドレス42)のデータからビット0の値だけを取り出しています。本来は「P1 = ReadData & 1;」だけで良いのですが、P2~P8の値を取得する場合を想定しこのように表記しています。 | ||
+ | |||
+ | それではP3に反射型フォトインタラプタを接続した場合を考えてみます。 | ||
+ | P3 = (ReadData & (1 << 2) ) >> 2; | ||
+ | P3の値はReadDataのビット2です。ReadDataからビット2の値だけを取り出すには論理積(&)とビットシフト(<<又は>>)を使います。 | ||
+ | |||
+ | (1 << 2)は1を左に2ビットシフトさせた値です。2進数で書くと | ||
+ | |||
+ | | ビットシフト前 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ''1'' | | ||
+ | | 2ビット左へシフト | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ''1'' | 0 | 0 | | ||
+ | |||
+ | となります。 | ||
+ | 論理積(&)の真理値表は以下になります。 | ||
+ | | a | b | a & b | | ||
+ | | 0 | 0 | 0 | | ||
+ | | 0 | 1 | 0 | | ||
+ | | 1 | 0 | 0 | | ||
+ | | 1 | 1 | 1 | | ||
+ | つまりa,b両方1の時だけ1になります。 | ||
+ | |||
+ | この「1を2ビット左へシフトさせた値」とReadDataの論理積(&)を取ることで、ビット2だけを取り出します。 | ||
+ | |||
+ | | 適当なReadData | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | ''1'' | 0 | 1 | | ||
+ | | 1を2ビット左へシフトした値 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ''1'' | 0 | 0 | | ||
+ | | ビット2だけを取り出した値 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ''1'' | 0 | 0 | | ||
+ | あるいは | ||
+ | | 適当なReadData | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | ''0'' | 0 | 1 | | ||
+ | | 1を2ビット左へシフトした値 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ''1'' | 0 | 0 | | ||
+ | | ビット2だけを取り出した値 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ''0'' | 0 | 0 | | ||
+ | |||
+ | となります。 | ||
+ | |||
+ | 「ビット2だけを取り出した値」を右へ2ビットシフトすることで、ビット2だけの値を取り出すことができます。 | ||
+ | |||
+ | | ビット2だけを取り出した値 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ''1'' | 0 | 0 | | ||
+ | | 右へ2ビットシフトした値 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ''1'' | | ||
+ | あるいは | ||
+ | | ビット2だけを取り出した値 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ''0'' | 0 | 0 | | ||
+ | | 右へ2ビットシフトした値 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ''0'' | | ||
+ | となります。 |
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